「トリプルアクセルを絶対に跳びたい」 シニアデビュー控える17歳・坂本花織

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シニアデビューを控える坂本花織に、五輪シーズンへの決意、現在の心境などを語ってもらった 【スポーツナビ】

 とにかく明るい。インタビュー中もよく笑う姿が実に印象的だった。坂本花織、17歳。昨年の全日本ジュニア選手権で本田真凜らを破って優勝を飾った女子フィギュアの有望株だ。今年3月の世界ジュニア選手権でも3位に入り、来季からは満を持してシニアの舞台に参戦する。

 2016−17シーズン、同じリンクで練習を共にする1学年上の三原舞依が四大陸選手権優勝、世界選手権5位と国際舞台で結果を残した。親友でもあり、ライバルでもある三原の活躍は、坂本に多くの刺激を与えたことだろう。「正直怖いのが8割くらい」。シニアでの戦いに、そう不安も吐露していたが、その目は来年に迫った平昌五輪をしっかりと見据えていた。

変わったのは「気の持ち方」

世界ジュニアでは3位に入るなど、飛躍の1年を過ごした。自身も「気の持ち方が変わった」と変化を実感している 【写真:アフロスポーツ】

――世界ジュニアが終わって3カ月ほどたちますが、16−17シーズンはどのような1年でしたか?

 最初のジュニアグランプリ(JGP)シリーズからすごく成績が良くて(編注:サン・ジェルヴェ大会で2位)、そんなシーズンは今まであまりなかったので、「今季はいけるな」と勇気が湧いてきました、そのままJGPファイナルにも、世界ジュニアにも行けましたし、とても充実した1年だったなと思います。

――良かった点と反省点はどこでしょうか?

 反省点はファイナルですね。ロシアの選手たちがすごすぎて、今までの自分が唯一出せなかった試合だったので……。良かった点は、世界ジュニアのときに、男子やペア、アイスダンスの応援を真凜や(白岩)優奈と3人でしていたんですけど、自分の出番になったらきちんと集中して、切り替えられたところが良かったかなと思います。

――世界の舞台で結果を残したわけですが、今季とこれまでのシーズンで変わった部分はありましたか?

 気の持ち方ですかね。今まではどの試合でもすごい選手が出てきて、「この人には絶対に勝てない」と思い込みながらやっていたので、それなりの演技しかできなかったんです。ただ、今季は「もしかしたらこの選手にも勝てるんじゃないか」と、ちょっとでも超えようと思う気持ちがあったので、それが前とは違ったかなと思います。

――「メンタルが課題」と以前からおっしゃっていましたが、「この選手にも勝てるんじゃないか」と思えるようになったきっかけは何かあったのでしょうか?

 夏の合宿で走り込んだり、体幹トレーニングをたくさんやったので、練習でもジャンプが安定してきました。自信につながる練習をいっぱいしてきたので、それが気持ちを強くしてくれた部分かなと思います。

シニアは「怖いのが8割、楽しみが2割」

シニアの舞台は「怖いのが8割、楽しみが2割」と本音を吐露 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

――来季はシニアに上がります。

 1年目で全然経験もないので、正直怖いのが8割くらいです。でも楽しみの2割をなくさないようにしないと初戦からボロボロ崩れて、五輪の選考からかけ離れてしまうので、そこは楽しみを忘れないようにしたいです。

――GPシリーズの初戦はロシアのロス・テレコム杯です。

 いきなりロシアの3人(編注:エフゲーニャ・メドベージェワ、エレーナ・ラジオノワ、もう1人は未定)と戦わないといけないんですよね。

――楽しみな部分はどこでしょうか?

 ショートもフリーもプログラムをもう作ったんですけど、フリーは今までにやったことがないような振り付けなので、それを皆さんに見せられることがすごく楽しみです。

――来季のプログラムと、振り付けはどなたにやってもらったのかを教えてください。

 ショートは『死の舞踏』で、フリーは『アメリ』です。振り付けはショートを宮本賢二先生に、フリーをブノワ・リショー先生にやってもらいました。

――プログラムを作るときに、ご自身の意見は取り入れてもらったりしますか?

 ジャンプはできるだけ後半にしてほしいとか、ジャンプの入りにくいところなどはきちんと言います。昨シーズンのフリーは後半にジャンプが2つしかなかった。ロシアの(アリーナ・)ザギトワ選手が全部後半なのに対して、自分は2つだけだったので、すでに負けている感があったんです。後半にジャンプが必要だなと感じたので、今回はそれを伝えました。

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