「トリプルアクセルを絶対に跳びたい」 シニアデビュー控える17歳・坂本花織
シニアデビューを控える坂本花織に、五輪シーズンへの決意、現在の心境などを語ってもらった 【スポーツナビ】
2016−17シーズン、同じリンクで練習を共にする1学年上の三原舞依が四大陸選手権優勝、世界選手権5位と国際舞台で結果を残した。親友でもあり、ライバルでもある三原の活躍は、坂本に多くの刺激を与えたことだろう。「正直怖いのが8割くらい」。シニアでの戦いに、そう不安も吐露していたが、その目は来年に迫った平昌五輪をしっかりと見据えていた。
変わったのは「気の持ち方」
世界ジュニアでは3位に入るなど、飛躍の1年を過ごした。自身も「気の持ち方が変わった」と変化を実感している 【写真:アフロスポーツ】
最初のジュニアグランプリ(JGP)シリーズからすごく成績が良くて(編注:サン・ジェルヴェ大会で2位)、そんなシーズンは今まであまりなかったので、「今季はいけるな」と勇気が湧いてきました、そのままJGPファイナルにも、世界ジュニアにも行けましたし、とても充実した1年だったなと思います。
――良かった点と反省点はどこでしょうか?
反省点はファイナルですね。ロシアの選手たちがすごすぎて、今までの自分が唯一出せなかった試合だったので……。良かった点は、世界ジュニアのときに、男子やペア、アイスダンスの応援を真凜や(白岩)優奈と3人でしていたんですけど、自分の出番になったらきちんと集中して、切り替えられたところが良かったかなと思います。
――世界の舞台で結果を残したわけですが、今季とこれまでのシーズンで変わった部分はありましたか?
気の持ち方ですかね。今まではどの試合でもすごい選手が出てきて、「この人には絶対に勝てない」と思い込みながらやっていたので、それなりの演技しかできなかったんです。ただ、今季は「もしかしたらこの選手にも勝てるんじゃないか」と、ちょっとでも超えようと思う気持ちがあったので、それが前とは違ったかなと思います。
――「メンタルが課題」と以前からおっしゃっていましたが、「この選手にも勝てるんじゃないか」と思えるようになったきっかけは何かあったのでしょうか?
夏の合宿で走り込んだり、体幹トレーニングをたくさんやったので、練習でもジャンプが安定してきました。自信につながる練習をいっぱいしてきたので、それが気持ちを強くしてくれた部分かなと思います。
シニアは「怖いのが8割、楽しみが2割」
シニアの舞台は「怖いのが8割、楽しみが2割」と本音を吐露 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】
1年目で全然経験もないので、正直怖いのが8割くらいです。でも楽しみの2割をなくさないようにしないと初戦からボロボロ崩れて、五輪の選考からかけ離れてしまうので、そこは楽しみを忘れないようにしたいです。
――GPシリーズの初戦はロシアのロス・テレコム杯です。
いきなりロシアの3人(編注:エフゲーニャ・メドベージェワ、エレーナ・ラジオノワ、もう1人は未定)と戦わないといけないんですよね。
――楽しみな部分はどこでしょうか?
ショートもフリーもプログラムをもう作ったんですけど、フリーは今までにやったことがないような振り付けなので、それを皆さんに見せられることがすごく楽しみです。
――来季のプログラムと、振り付けはどなたにやってもらったのかを教えてください。
ショートは『死の舞踏』で、フリーは『アメリ』です。振り付けはショートを宮本賢二先生に、フリーをブノワ・リショー先生にやってもらいました。
――プログラムを作るときに、ご自身の意見は取り入れてもらったりしますか?
ジャンプはできるだけ後半にしてほしいとか、ジャンプの入りにくいところなどはきちんと言います。昨シーズンのフリーは後半にジャンプが2つしかなかった。ロシアの(アリーナ・)ザギトワ選手が全部後半なのに対して、自分は2つだけだったので、すでに負けている感があったんです。後半にジャンプが必要だなと感じたので、今回はそれを伝えました。