- 清水英斗
- 2017年5月25日(木) 12:05
前半16〜45分はシュートゼロ

U−20ワールドカップ(W杯)・グループステージ第2戦、ウルグアイとの試合は、0−2で日本が敗れた。
スタッツによれば、シュート数はウルグアイが11本、日本が10本と互角。枠内シュートについては、ウルグアイが2本、日本が5本と、むしろ日本が上回った。敵陣ペナルティーエリア内のプレー数も、ウルグアイが15回、日本が14回と互角。「ボールをつないで最後に決め切るところの決定力が課題」という内山篤監督の振り返りは、スタッツからも裏付けられる。
時間帯別に試合を見ると、日本があまりチャンスを作ることができなかったのは、前半16分〜45分だ。この時間帯は、シュート数ゼロ。敵陣ペナルティーエリアへの侵入も、16〜30分の間に1回を記録したのみで、あまりチャンスを作れなかった。
中を閉めるウルグアイに小川不在が響く

前半20分にエースストライカーの小川航基が負傷交代した影響は大きかった。前半7分に堂安律、9分に舩木翔、13分に藤谷壮と、序盤は立て続けにサイドからのクロスでチャンスを作った日本だが、小川が下がり、まったくタイプが違う久保建英を投入した後にも、同じ攻撃を続けるわけにはいかない。
日本は相手ディフェンスラインの手前に縦パスを入れ、足元のコンビネーションを高めようとした。ところが、相手が間延びした状況を見切って久保を投入した南アフリカ戦とは異なり、ウルグアイ戦は状況に急かされて交代カードを切っている。ウルグアイは間延びしておらず、むしろ中央をコンパクトに、パスコースを切りながら寄せるのがうまいチームだ。
そして、スペースを狭くされる中で、日本は中央に入ってくる堂安と久保のポジションが重なってしまい、前半25分にはベンチから堂安に「(サイドに)開け!」という指示も飛んだ。このあたりは小川の負傷というアクシデントと、中央を閉めてくるウルグアイの守備に対し、日本が苦慮した様子がうかがえる。
南アフリカ戦よりも中央突破が減少

試合全体のプレーエリアを見ても、基本的には左サイドからの攻撃が多い日本だが、南アフリカ戦はアタッキングサードの攻撃比が左から「125、65、56」に対し、ウルグアイ戦は「119、41、69」と中央を攻める回数が減っている。スペースを閉められサイドの攻撃比が高まる中で、クロスに対して勝負できる小川を欠いたことは、やはり攻撃を難しくしたに違いない。
ウルグアイも多くのチャンスを作ったわけではないが、日本のミスを誘いながらゴールに迫った。そして前半38分、自陣からのロングボールで右サイドバックのホセ・ルイス・ロドリゲスを走り込ませ、FWニコラス・スキアッパカッセに釣られた舩木と中山雄太の対応が一歩遅れたところで、ロドリゲスに飛び込んだ中山がかわされ、FWスキアッパカッセがフリーに。冷静に運ばれ、ゴール左隅に流し込まれた。