ウルグアイ戦の分岐点は後半序盤の15分間 スタッツから読み解くU-20W杯
後半にチャンスを演出した日本
久保のドリブルから決定機を迎えるなど、後半立ち上がりは日本ペースに 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
特に後半序盤の15分間が、ハイライトだ。ペナルティーエリアに5回侵入し、5本のシュートを打っている。後半10分に市丸瑞希のループシュート、そのこぼれ球を押し込もうとした久保のヘディング。さらに13分の久保のドリブルシュートからの堂安の詰めなど、最も大きな決定機はこの時間帯に生まれた。
そのキーワードは、ショートカウンターだ。ウルグアイに対して高い位置からプレスをかけ、ミスを誘ってチャンスにつなげた。後半序盤のパスの前方比率は27%と、むしろこの試合で最も低い数字だったが、後半9分あたりに内山監督から「もっと前へ!」と檄(げき)を飛ばされてから、守備面でも積極性が出たようだ。
攻守に最後の局面で差をつけられた
ミスをカバーして防ぎ切るところ、決め切るところで差をつけられた日本 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
その結果、ウルグアイは後半31〜45分に、9回という敵陣ペナルティーエリア内のプレー数を記録。日本は3回にとどまった。1点差を追い、リスクを負ってでもボールを運びたい日本に対し、ウルグアイは日本のGK、DF、ボランチにプレッシングを浴びせ、より多くのチャンスを生み出した。ボールを持つリスクを負わず、かといって打たれっぱなしにもならず。リードしたチームの定石ではあるが、ウルグアイは素早い采配で、試合戦略を変えている。そしてアディショナルタイムにマティアス・オリベラが追加点を挙げた。
0−2で敗れた日本。お互いにビッグチャンスは相手のミス絡み、あるいはそれを誘うプレッシングがきっかけだったが、それをカバーして防ぎ切るところ、決め切るところで差はついた。その結果、徐々にウルグアイの試合戦略に導かれてしまった。
※本スタッツデータは大会公式とは異なる場合があります。
(グラフィックデザイン:相河俊介)