【新日本プロレス】ヒロムが宿敵リーに敗れ凱旋後初黒星 田口が金丸にリベンジ KUSHIDAは屈辱敗

高木裕美

ドラゴン・リーがIWGPジュニア王者のヒロムを破り白星発進 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 新日本プロレスのジュニアの祭典「BEST OF THE SUPERJr.24」が17日、東京・後楽園ホールで開幕。この日は公式戦8試合が行われ、超満員札止めとなる1729人を動員した。今年のリーグ戦は全16選手が参加。A、B2ブロックに分かれて対戦し、6.3東京・国立代々木競技場 第2体育館で優勝決定戦が行われる。

 メインイベントでは、IWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロムが“宿命のライバル”ドラゴン・リーと一騎打ち。昨年12月の凱旋マッチ以来、シングル無敗を貫いてきたヒロムに、ついに土がつけられた。

リーが宿敵倒し日本愛をアピール

お株を奪う場外パワーボムなどでリーがヒロムを上回り、凱旋以降負けなしだったヒロムに土をつけた 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 これまでCMLLやROHなどで何度も熱戦を繰り広げてきた両者だが、今年の2.11大阪でもタイトルを賭けて対戦。この時はヒロムが18分23秒、TIME BOMBで勝利し、王座初防衛に成功している。

 開始早々、激しいチョップ合戦を繰り広げると、5分過ぎ、リーがヒロムのお株を奪う場外への飛びつきパワーボムを敢行。なおも投げっぱなしジャーマンスープレックスの応酬となると、さらにリーがコーナーに引っ掛けて背中へのフットスタンプを炸裂。ヒロムもリーのマスクを引きちぎり、飛びつき式のカナディアンデストロイを繰り出すも、カウントは2。ヒロムのTIME BOMBを阻止したリーが、ここ一番の大技フェニックス・プレックスでフィニッシュを決めた。

 宿敵を倒したリーは、ファンに対し「アイラブジャパン」と日本愛をアピール。一方、凱旋後初の黒星を喫したヒロムは、無言のまま退場。前日の記者会見では、「何の波乱もなくオレが優勝する」と宣言していたヒロムだが、早くも開幕戦から大波乱の展開となった。

田口監督は作戦勝ち 前年覇者・オスプレイは初戦黒星

田口監督は鈴木軍の金丸に作戦勝ち 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルでは、タグチジャパン監督の田口隆祐が、鈴木軍の金丸義信に“作戦勝ち”し、観客の大歓声を浴びた。

 昨年のSUPERJr.では準優勝で涙を飲んだ田口。さらに、同年8月の「SUPER J-CUP 2016」2回戦でも、金丸のタッチアウトに敗れ、不完全燃焼に終わっていた。

 いまやタグチジャパン監督として抜群の会場人気を集める田口は、いきなりグータッチを要求し、自分のペースに引き込むと、金丸の首4の字固め、DDT、リバースDDT、ディープインパクトという首攻めもクリア。10分過ぎにオーマイ&ガーアンクルで捕獲し、セコンドのTAKAみちのくが妨害工作に出たところ、これを逆手に取って、お返しの急所蹴りから首固めで3カウントを奪取。昨年夏のリベンジを果たすと共に、5年ぶり2度目の優勝に向けて好発進した。

 昨年度覇者のウィル・オスプレイは、初参戦となるマーティー・スカルに敗れ、無念の黒星スタートとなった。

 共にイギリス人同士、これまでもイギリスマットやROHなどで対戦経験のある両者は、互いの手の内を知る者同士ならではの、見ごたえのある攻防を展開。ハイフライヤーらしく、その場飛び式シューティングスタープレス、スワンダイブ式ラリアットなどの飛び技を駆使するオスプレイに対し、スカルも得意のサブミッションで対抗。オスプレイがコークスクリューキックを決めた直後に、スカルがクロスフェイス・チキンウィングで捕獲して勝負を決めた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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