【DDT】竹下が遠藤と壮絶60分フルタイムドローで防衛 5.28後楽園で高山がKO-D王座初挑戦

高木裕美

壮絶60分ドローでKO-D王座を防衛した竹下に帝王・高山が挑戦表明 【写真:前島康人】

 29日のDDTプロレス「MAX BUMP 2017」東京・後楽園ホール大会では、KO− D3大タイトルマッチなどが行われ、超満員となる1635人を動員した。
 メインイベントのKO−D無差別級選手権試合では、竹下幸之介vs.遠藤哲哉による“宿命のライバル”対決が実現するも、60分フルタイムドローにより竹下が2度目の防衛に成功。5.28後楽園では“帝王”高山善廣の挑戦を受けることが決定的となった。

かつてのパートナー遠藤と宿命対決

【写真:前島康人】

 かつてはタッグパートナーであった竹下と遠藤。2年半前の14年9. 28後楽園では、飯伏幸太&ケニー・オメガのゴールデン☆ ラヴァーズからKO−Dタッグ王座を奪取し、オメガから「DDTの未来」 を託された。だが、昨年、竹下が先にKO−D無差別級王座を巻いたことにより、遠藤が「おまえの背中を追いかけるより、向かい合っていたい」と決別宣言。反体制ユニットのDAMNATIONへ加入し、相反する道を歩むことになった。

【写真:前島康人】

 遠藤はTシャツを着たままファイト。左足攻めからイスを使ったラフファイトも繰り出すと、25分過ぎにようやくTシャツを脱いで、ビルドアップされた上半身を公開。トーチャーラックボムからのシューティングスタープレスはかわされて自爆するも、セコンドのアシストを受けて急所蹴り。
 しかし、これで火がついた竹下も、逆に遠藤を客席めがけて投げつけ、放送席のテーブルで顔面を殴打。遠藤も旋回式DDT、マッド・ポーリーを踏み台にしてのムーンサルトプレスで反撃する。40分を過ぎ、遠藤が再びヒザ攻めに出るが、竹下もエプロンでのベリートゥベリー、雪崩式ブレーンバスターで対抗。

無情にも時間切れのゴング

【写真:前島康人】

 50分を超えてもなお、遠藤がシューティングスタープレス、雪崩式スパニッシュフライといった大技を繰り出し、足4の字固めへ。残り5分のアナウンスで、ギブアップを踏みとどまった竹下が、起死回生のカウンターのヒザ蹴り、ランニングラリアット、ラストライドから、ここ一番の必殺技クロスアーム式ジャーマンスープレックスを狙うも、遠藤に切り返されて万事休す。無情にも時間切れのゴングが打ち鳴らされた。

メジャー三冠・高山がKO−Dに照準

【写真:前島康人】

 疲労困憊の竹下に、早くも次の刺客・高山が登場。いつでもどこでも挑戦権を手にした高山は、「すごいチャンピオンだね。オレもGHC、IWGP、NWF、三冠、コレクションしているんだ。この中にKO−Dも加えたい」と、歴代の獲得タイトルを挙げ、挑戦をアピールした。日本のメジャー3団体(新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノア)のシングル(IWGP、三冠、GHC)&タッグ(IWGPタッグ、世界タッグ、GHCタッグ)王座をすべて獲得した唯一の男からの呼びかけに、竹下は動じることなく「次の挑戦者の高山をジャーマンで投げて、エベレストジャーマンより上だということを証明する」と、あくまで上から目線で挑戦を受諾。プロレス界の未来対プロレス界の帝王によるタイトルマッチが実現することになった。

船木、高山の“禁断キス”に戦意喪失

【写真:前島康人】

 セミファイナルのKO−Dタッグ選手権試合では、高山善廣& 男色ディーノの「リアル・ノーフィアー」が船木誠勝&坂口征夫組から王座を奪取。5.21札幌では、1週間後のKO−D無差別級王座の前哨戦も兼ねて、竹下幸之介&彰人組の挑戦を受けることが正式決定した。

 男色初体験の船木は、ディーノに対し、腰が引けまくり。男色ナイトメアのエジキとなった坂口に対し、遠くからゲキを飛ばすなど、いつも調子が出せず。坂口がディーノのリップロック、スパイダージャーマン、地獄門で戦闘不能に陥ると、孤立した船木が高山に浴びせ蹴り。
 さらにディーノのリップロックもかわし、勝機が見えたかと思いきや、ここで高山が船木にまさかのリップロックを炸裂。U系を代表するトップレスラー2人の禁断の光景に場内があっけにとられる中、ディーノも坂口にリップロック。王者組が戦意喪失となる中、高山が坂口をエベレストジャーマンスープレックスで仕留め、タッグ王座を奪取した。

【写真:前島康人】

 メイン終了後、高山が竹下のKO−D無差別級王座挑戦を表明すると、竹下のパートナーの彰人が代わりにタッグ王座への挑戦を要求。5.21札幌で両チームによるタイトルマッチが正式決定した。彰人の狙いは、高山が保持するいつでもどこでも挑戦権。もし、札幌で高山から3カウントを奪ってタイトル移動となれば、1週間後のタイトル戦では彰人が権利を行使する可能性もありそうだ。

NwO王座防衛 敗れた平田は国外追放

【写真:前島康人】

 KO−D6人タッグ選手権試合では、大石真翔&勝俣瞬馬&MAOのNwOが、高木三四郎&大鷲透&平田一喜のT2ひーを破り王座防衛に成功。なお、平田は敗者国外追放ルールにより、日本マットを去ることが決定した。

 新曲を披露しノリノリの王者組に対し、挑戦者組は突然の音響トラブルにより平田の入場テーマ曲が流せず、急きょ高木&大鷲がアカペラで呼び込むなど、不吉なムードが充満。
 さらに、ゴングが鳴った途端、試合権利のない選手やBASARAのメンバーまでもがいっせいに平田に襲い掛かるなど、四面楚歌の状況の中、平田だけは必死に運命に抗おうとするが、ダンスをしたいという原始的欲求には勝てず、手刀無双から平田GOメガネを装着し、待望のダンス。しかし、高木&大鷲のクロスボンバーが誤爆したところを大石に丸め込まれ、3カウント&いつでもどこでも挑戦権が同時に奪われてしまった。

 自分たちのせいで敗れたにも関わらず、高木&大鷲は平田の国外追放は撤回せず。「平田一喜先生の次回作にご期待ください」と、参戦発表済みの結婚式プロレスを最後に、平田を海外へ送り出す意志を固めた。

高木vs.みのる 東京ドーム路上マッチは無観客に

【写真:前島康人】

 3.20さいたまスーパーアリーナ大会で開催が発表された、高木三四郎vs.鈴木みのるによる「東京ドーム全域を使ったノーピープルマッチ」が6月1日(木)16時より開催決定。当日は警備上の関係で観客は入れられないため、試合の模様はDDTユニバースで生中継されることになった。高木は「自分としてはワンマッチ興行のつもりでいく。東京ドーム史上に残るメチャクチャな試合にする」と意気込みを激白した。

 また、心臓疾患により昨年10月より半年間欠場していたスーパー・ササダンゴ・マシンが5.28後楽園で復帰することが決定。復帰戦のカードは、ドームの前哨戦となる高木&ササダンゴvs.鈴木みのる&ロッキー川村と発表された。

 ササダンゴの“中の人”が10年10.6後楽園で引退試合を行った際、みのるに引退試合の相手を務めてもらったが、その後、みのるに何のあいさつもしないまま、マスクマンとして復帰。その後も顔を合わせる機会がありながらも、伝えられていない状況に、どうしたらいいのか困惑するササダンゴは、しどろもどろになりながらも「あのー、頑張ります」と腹をくくった。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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