風香GMが振り返る紫雷イオとの思い出 10周年のイオに伝えたい2つの気持ち
10周年大会を行う紫雷イオへ、風香GMからのメッセージ 【写真提供:風香】
GMとして初の三連戦を終えて、解放感でいっぱいの風香です。
最終日には、ジャングル叫女がBY宝(宝城カイリ、美闘陽子)の持つゴッデス・オブ・スターダムのベルトを奪取。
四天王時代に突入して動かなかった時間がやっと動きはじめました!
ひと休みしたいところですが、息つく間もなく今週木曜(9日)は紫雷イオ10周年記念試合です!
今でこそ女子プロ界の“女帝”に君臨するイオですが、ここにたどり着くまで、これほど紆余曲折(うよきょくせつ)なプロレス人生を送ってきた人はいないと思います。
そんなイオちゃんの過去を今日は私目線で振り返っていきたいと思います。
初めての対面は「ヤンキーがきた」!!
2011年にスターダム参戦を決めた当時のイオ(右)と風香GM 【スポーツナビ】
今思えば当たり障りのないことを丁寧に言っていましたが、あまりの声の低さと顔に、
「ヤ、ヤンキーがきた(≧∀≦)」
と驚いたのを覚えています。
それから、風香祭にもレギュラー参戦するようになり、私の引退試合のオープニングファイトが、3月5日の名古屋大会で、スターダムの至宝(ワールド・オブ・スターダム王座)をかけて闘った
紫雷イオvs.花月
だったのです!
10周年と言ってもいまいち実感がわいてなかったけど、2人が同じカードをまったく違う立場で闘っているのを見て、改めて時間の経過と重みを感じました。
そんなつながりや、私の引退時『ポスト風香は誰だ?』の特集でも名前が挙がっていたり、一時はロッシー小川さんも気にかけていて、割りと接点はありましたが、本格的に同じ場所でやっていくことになったのは2011年のスターダム参戦時からでした。
『もったいない選手』から2年連続女子プロレス大賞獲得へ
誰もが認める素材なのに、誰も脅威に感じない選手だったので、スターダム参戦を決めた時は、「天才がやっと本気になった!!!」という印象。
とは言え、当時のスターダムには愛川ゆず季、世IV虎(現・世志琥)、美闘陽子といったスター選手や、高橋奈苗(現・高橋奈七永)、夏樹☆たいよう(現・南月たいよう)という主柱もいて、簡単にポジションを手にできるわけはなく、当時は5番手6番手の選手でした。
それでも不満ひとつ言わず、2012年には正式所属を発表。
……そして、しばらくして“あの事件”がありました。(知りたい方は各自で検索お願いします。笑)
テレビのニュースでも流れ、本人も団体も大きなダメージを受け、スターダムも紫雷イオも終わった……と思われた方もいたと思います。
でも、あの涙や決意が嘘じゃなかったことは、2年連続女子プロレス大賞を受賞するまでに大復活した今を見てもらえれば一目瞭然だと思います。
辛そうに見えた赤いベルト長期政権時代
2013年の両国大会で赤いベルトを初戴冠したイオ。しかしここからの長期政権で苦しい時代を過ごした 【写真:前島康人】
理不尽なことで怒ったり、気持ちの浮き沈みを仕事現場で見せてるところを見たことがないんです!
唯一、人知れず辛そうだったのは、2013年4月の両国国技館でアルファ・フィーメル(格闘技参戦時はジャジー・ガーベルト)からベルトを奪取してからの約半年間でした。
試合内容や突如トップに立ったことを良く思わない人からの厳しい声や、まだたくさん先輩選手がいる中での長期政権。(約1年間赤いベルトを防衛)
プライベートでの精神的崩れっぷりをよく聞いていたけど、本人以外どうすることもできない内容だったので、その時は「なんとか心折れないで……」と祈るばかり。
でも、そんな重圧にも打ち勝ってくれて、ベルトを失った頃には逆に無冠でもセンターにいるべきエースでした。