【UFC】単なる“ロンダを倒した女”ではない! ホリー・ホルムが正念場の王者決定戦
悠々自適の境地の強み、元絶対王者アンデウソン・シウバ出陣
「私はね、あの一寸法師をやっつけてやりたいんだ……あの子の名前は何だったかな? ああそう、(コナー・)マクレガーだったね。(41歳という)年のせいか、忘れっぽくていかん。彼と戦って自分を試してみたい気持ちはある。なかなか才能があって、特にスタンドは知性的じゃないか。チャンピオンとしてでなく、マーシャルアーティストとして彼には興味がある」
「ブランソン君は私より8歳も若くて(33歳)ダイナミックだから、よく用心しないといけない。ただわれわれは通常、対戦相手の強みには目を付けない。弱みを探すものだ」
「私はもうすべてを達成した。これからは楽しみたいんだ。プレッシャーは何もない。これまで、勝つことも負けることもあったし、ケガもしてきた。これからは、人から何といわれようが、自分に正直にやっていくだけだよ」
ブランソンも、こんなことをニヤニヤしながら語る大先輩とはさぞ戦いにくいことだろう。シウバは「今の私はエネルギーと情熱にあふれているし、家族も応援してくれているから、UFCとの契約をきちんと満了するつもりだ。まだ6年か7年は戦えるのではないかと思っている」と語っている。シウバは、15年のニック・ディアス(米国)戦に先立ってUFCと契約を更改し、何と新たに15試合契約を締結。残り試合はまだ12試合もある。本気でこれを消化するつもりなのだとしたら驚きだが、当面の間、シウバの名人芸を楽しむことができそうであることは、ファンにとってはうれしい話だ。
新天地フライ級で頂点を目指す! 佐々木憂流迦の大勝負
階級を落としてスピードアップした憂流迦(右)。フライ級ではもっとも身長が高い選手となっている 【Zuffa LLC】
佐々木は現在、UFCフライ級ファイター36名中、最も身長が高い選手となっているが、「高身長・高リーチというのは距離の闘いや組みの展開になった時に有利に働くと考えています」と語っており、強みを生かした戦いを見せてくれそうだ。
対戦相手のウィルソン・ヘイス(ブラジル)はランキング5位の強豪、ノーランカーの佐々木にとっては一気に上位に進出するビッグチャンスだ。5月の「UFCファイトナイト・ロッテルダム」でウィリー・ゲイツ(米国)から一本勝ちを収めた際には、米国の古典的な漫画『トムとジェリー』にならって、王者“マイティマウス”デメトリアス・ジョンソンをネズミのジェリーに例えて挑発した佐々木は、「この階級にきた目標は1つ、タイトルマッチをやるためなんです」と力強く語っている。
日本人MMAファイターとして初めてニューヨークでの大会に出場する佐々木。「それは光栄なことですし、何より自分自身も楽しみです。ただそれより、海外で試合しても、日本から見てくれるファンや気にかけてくれるファンがいることに本当に感謝します。この試合も必ず良い試合になることを約束します! 楽しみに『UFC 208』を待っていてください!」とコメント。
今回の試合は、佐々木にとって大きな飛躍となりうるビッグチャンスだ。日本人スター誕生の瞬間を見逃すな!(文・高橋テツヤ)