【UFC】ロンダ・ラウジー、復帰戦へ(後編) 「背筋を伸ばして堂々と引退したい」
女子バンタム級王者アマンダ・ヌネス(右)との復帰戦を戦うロンダ・ラウジー(左) 【Zuffa LLC】
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「私はたくさんの人を喜ばせようとしすぎていた」
ファンサービスも積極的に行い、UFCの女子部門を盛り上げることを使命としていた 【Zuffa LLC】
敗戦から1年、沈黙を守っていたラウジーは、この1年が自分にとって何であったのかを振り返ってこう語っている。
「敗戦のおかげで、私は嫌いな自分にならなくてすんだ。みんなに好かれる人になるために生きている人。世間の関心を引こうと、うわべを取り繕う人。チャリティ活動を自分のイメージアップにつなげようとしている人。どうでもいい人のご機嫌を取るだけのためにポーズを取って写真に収まる人。そんな自分に背を向け、今の私は、ただ自分の生活を取り戻している」
実はラウジーは2015年11月の「UFC 193」ではなく、2016年1月に試合をすることが内定していた。しかし、「UFC 193」のメインイベントに出場予定だったロビー・ローラー(米国)が急きょ負傷欠場することとなり、UFCでは収容5万5000人のエディハド・スタジアムにふさわしい代打のスター選手が必要になった。ラウジーはいつも試合前には2カ月間、山小屋でキャンプを張る。しかし、「UFC 193」までにはもう1カ月半しかなかった。それでもラウジーは、いつものように、代役を引き受けた。
「私はたくさんの人を喜ばせようとしすぎていた。頑張ってみんなを喜ばせたところで、みんなはそれでいいかもしれないけれど、残された私は一人、うつ状態と戦わなければならない。ペイ・パー・ビューもファイトマネーも何もかも、負けてしまっては何の意味もない」とラウジーは振り返る。