【UFC】ロンダ・ラウジー、復帰戦へ(後編) 「背筋を伸ばして堂々と引退したい」

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女子バンタム級王者アマンダ・ヌネス(右)との復帰戦を戦うロンダ・ラウジー(左) 【Zuffa LLC】

 日本時間12月31日(土)に開催される「UFC 207」で復帰戦が行われる元UFC女子バンタム級チャンピオンである“ラウディ”ことロンダ・ラウジー(米国)。敗戦直後にどん底まで沈んだが、再びリングに上がることを決意。その心の動きを綴るストーリーの後編。

「私はたくさんの人を喜ばせようとしすぎていた」

ファンサービスも積極的に行い、UFCの女子部門を盛り上げることを使命としていた 【Zuffa LLC】

 無敵無敗時代のラウジーは「どうすれば成功できるのか?」と、何度も何度も考え抜いてきた。「試合を売りこまなきゃ。UFC女子部門をしっかりさせないと。ファンとは写真を撮らないとね。レッドカーペットの上ではポーズを取らなくちゃ」と、ツイッターやフェイスブック、さらにはインスタグラムも、朝から晩まで、休む間もなく働いた。ラウジーの睡眠はいつも細切れで、目覚まし時計はいつもおかしな時間に鳴り響いていた。

 敗戦から1年、沈黙を守っていたラウジーは、この1年が自分にとって何であったのかを振り返ってこう語っている。

「敗戦のおかげで、私は嫌いな自分にならなくてすんだ。みんなに好かれる人になるために生きている人。世間の関心を引こうと、うわべを取り繕う人。チャリティ活動を自分のイメージアップにつなげようとしている人。どうでもいい人のご機嫌を取るだけのためにポーズを取って写真に収まる人。そんな自分に背を向け、今の私は、ただ自分の生活を取り戻している」



 実はラウジーは2015年11月の「UFC 193」ではなく、2016年1月に試合をすることが内定していた。しかし、「UFC 193」のメインイベントに出場予定だったロビー・ローラー(米国)が急きょ負傷欠場することとなり、UFCでは収容5万5000人のエディハド・スタジアムにふさわしい代打のスター選手が必要になった。ラウジーはいつも試合前には2カ月間、山小屋でキャンプを張る。しかし、「UFC 193」までにはもう1カ月半しかなかった。それでもラウジーは、いつものように、代役を引き受けた。

「私はたくさんの人を喜ばせようとしすぎていた。頑張ってみんなを喜ばせたところで、みんなはそれでいいかもしれないけれど、残された私は一人、うつ状態と戦わなければならない。ペイ・パー・ビューもファイトマネーも何もかも、負けてしまっては何の意味もない」とラウジーは振り返る。

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