錦織、悲願のグランドスラム初制覇へ 勝利への武器は“疲れないラケット”
超えるべき高い壁
ウォンバットを抱く錦織(左)。シーズンの幕開けを告げる全豪オープンが16日から始まる(写真右はラファエル・ナダル) 【写真:ロイター/アフロ】
シーズン最初の大舞台である上、酷暑に見舞われるこの大会は、選手たちにとってコンディショニングが難しく、番狂わせが起こりやすいともいわれている。現在世界ランキング5位、プロ10年目の節目を迎えた錦織圭(日清食品)も悲願のグランドスラム初制覇へ向けて虎視眈々(たんたん)。だが行く手には、初めて世界ナンバーワンで臨むアンディ・マリー(イギリス)や王座奪還を目指すノバク・ジョコビッチ(セルビア)、あるいは世界ランキング3位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、同4位のスタン・ワウリンカ(スイス)ら強敵が立ちはだかる。錦織の超えるべき壁は依然として高い。
前哨戦で準優勝も左臀部に痛み
気掛かりなのは左臀部の痛み。昨年の楽天OPや、年明けのブリスベン国際でもその影響が出ただけに、やや不安が残る 【写真:ロイター/アフロ】
しかしながら、ブリスベン大会はあくまでも全豪OPに向けた調整の場であり、肝心なのは結果よりも内容。その点で言えば、オフの練習で力を入れてきたファーストサーブの確率向上やネットプレーを取り入れた攻撃を実戦で試せたのは錦織にとって好材料だった。
ただ唯一、気掛かりなのは左臀部(でんぶ)に出た痛みで、本人は「大したことはない」と言っているが、昨年10月の楽天ジャパンOPでも臀部の痛みを理由に2回戦の途中で棄権した経緯もあり、やや不安が残る。