IT WORKS シュヴァルグラン 「競馬巴投げ!第135回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

霧の中で関西馬撮影、なかなかの奮闘としよう

 その冬至の日の朝、霧の中でかろうじて撮った関西の有馬ゼッケンの馬たちの写真を説明する。

[写真1]は朝イチ、霧の中から馬場入りし、いつも通り平場で追い切ったキタサンブラックである。

[写真2]からの3頭は坂路角馬場(準備運動場)に上がって、運よく見つけられた池江勢。サトノダイヤモンド。

[写真3]はサトノノブレス。

[写真4]はミッキークイーン。

[写真5]シュヴァルグラン 【写真:乗峯栄一】

[写真5]から2頭は、いつもの坂路頂上で撮った友道勢。これから追い切りに入るシュヴァルグラン。

[写真6]ムスカテール 【写真:乗峯栄一】

[写真6]は追い切り直後のムスカテール。

[写真7]デニムアンドルビー 【写真:乗峯栄一】

[写真7]は同じく坂路追い後に見たデニムアンドルビー。

[写真8]ヒットザターゲット 【写真:乗峯栄一】

[写真8]は池江勢と同じく坂路角馬場で見たヒットザターゲット。

[写真9]ヤマカツエース 【写真:乗峯栄一】

[写真9]はキタサンブラックを追うように、朝イチ、平場追い切りに入っていったヤマカツエース。

 この、霧と冬至のダブル・バリアーの中で、関西馬11頭中9頭の有馬ゼッケン馬を撮れた。これはなかなかの奮闘としよう(と勝手に自画自賛です)

こんなにレース推理に役立つ記者会見コメントを聞いたのは久しぶりだ

 それで、今年最後の予想だ。何としても当てたい。

[写真10]ルメールが共同会見で話したことはレース推理に大いに役立ちそうだ 【写真:乗峯栄一】

[写真10]はサトノダイヤモンド騎乗のクリストフ・ルメールの会見だ。

 普通、共同記者会見コメントというのは「いい調教ができました」「馬の調子は前走をいい意味でキープしています」「位置取りは全体のペースをみて決めます」「相手はみな強いですから、すべての馬がライバルです」と、まあ、このへんが当たりさわりのない定番だ。だから、最近は共同記者会見の発言をもって、どうこう推理することはない。

 しかし昔は共同記者会見で緊張する場面もあった。

 2005年菊花賞では、橋口調教師が「ディープに対して、うちのローゼンクロイツでは全然歯が立ちませんよ」と笑う。(結果はディープの3着)

 しかしその2ヶ月後の有馬ハーツクライの記者会見では「ディープに対して簡単に白旗をあげるようなことはしませんよ」と言う。ハーツ騎乗はルメールだったが、パドックでは橋口調教師からルメールに対して、有名な「アズ ユー ライク」の指示を出した。結果は早め先頭で、ディープの追撃を押さえて、デイープ国内唯一の黒星をつけることになる(全然関係ないが、このハーツ有馬のおかげで、北新地最高級フグと橋口調教師故郷の名酒・黒霧島を吐くほど奢ってもらった)。

 今回の記者会見、ルメールはその有馬のことにも触れていた。

「あのときはこっち(ハーツ)が4歳、向こう(デイープ)が3歳、今度は逆ね。一番強いブラックが4歳で、こっちが3歳。ブラックは一番強い。直線でもスピード落ちない。だから徹底的マークします」

 ルメールならではの記者会見だ。「一番強いのはキタサンブラック」と言い切り、「徹底マークでいく」と宣言している。こんなにレース推理に役立つ記者会見コメントを聞いたのは久しぶりだ。

“ダイヤモンドのブラック徹底マーク”、これがどの程度のものであるのか。これが今回の有馬の最大のカギを握る。かつてのトウショウボーイ・テンポイントのマッチレースのように、この2頭で決まる可能性ももちろんあるが、あのときのような他馬との差は今回はないように思える。キタサンは確かに強いが、ディープのように突出したものではない。早め並び掛けがあると、二頭で決定の可能性もあるが、後方待機馬にチャンスが出てくるともいえる。そして、後方待機馬がドドッとくれば、これは間違いなく大穴だ。

シュヴァルグランをまたしても本命に

 そこで、春天(3着)、JC(3着)と本命にして、いずれもキタサンブラックにやられたシュヴァルグランをまたしても本命にする。ダービー馬マカヒキや秋華賞ヴィブロスを温存し、それでもシュヴァルとムスカの有馬二頭出しを果たせる。いまの友道厩舎の余裕も怖れを感じる。

 単(14)シュヴァルグラン千円。三連単軸(14)ヒモに二強(1)キタサンブラック、(11)サトノダイヤモンドは入れるとして、あと実力未発揮の(6)サウンズオブアース、実力牝馬(8)ミッキークイーンと(13)デニムアンドルビー、去年の力を忘れてはいけない(2)ゴールドアクターの6頭、計30点。各三百円。総計一万円でいく。

乗峯栄一の1万円馬券勝負! 2016秋の陣

<今週の1万円勝負(有馬記念)>
単勝(14)シュヴァルグラン×1,000円
3連単(14)シュヴァルグラン1着軸固定→(1)(11)(6)(8)(13)(2)[30点]×300円=9,000円

<前回の結果(阪神JF)>
単勝(17)ヴゼットジョリー×1,000円⇒ハズレ
3連単(17)ヴゼットジョリー1着軸固定→(11)(2)(4)(18)(1)(9)[30点]×300円=9,000円⇒ハズレ

<前回までの収支>
−60,000円−10,000円=−70,000円

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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