30周年のダイナマイト関西が引退興行 尾崎魔弓、キューティー鈴木らが花添える

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盟友・尾崎と言葉を交わして涙

“対抗戦時代”をともに戦った山田敏代さんと豊田真奈美らがセレモニーに駆けつけた 【写真:前島康人】

 激戦の後、引退セレモニーが行われ、クワバタオハラのくわばたりえさん、俳優の谷原章介さん、ダイナマイト関西のご兄弟など友人・関係者から多くの花束が贈られた。

 またジャパン女子時代に一緒だったWAVEのGAMI社長ら、クラッシュギャルズで一時代を築いたライオネス飛鳥さん、JBエンジェルスの立野記代さんと山崎五紀さん、“対抗戦時代”をともに戦った山田敏代さんと豊田真奈美、そしてJWPのスター選手だったキューティー鈴木さんら、多くの女子プロレスOGも集まり、引退興行に花を添えた。またデビル雅美さん、北斗晶さんからは、ビデオメッセージも送られた。

JWPのスター選手だったキューティー鈴木さんはプラム麻里子さんの写真とともに 【写真:前島康人】

 アイスリボン、WAVE、ディアナ、JWPなどの現役選手も花束を贈り、一番最後には対戦相手でもあった尾崎が卒業証書を持ってリングイン。涙を浮かべて、卒業証書を読むと、「『オレより先に辞めるなよ。オレの引退試合の相手はお前しかいないからな』。そう言った時が今、本当に来てしまいました。あなたが引退発表をしてから今日まで、毎日のように今日が来なければ良かったのにと思っていました。大変な病気を乗り越えて、辛いこと、苦しいことがたくさんあったけど、今こうしてたくさんの人の前で、何一つ悔いを残さず去っていくあなたの姿をプラム麻里子と一緒に拍手を送りたいと思います。第2の人生を、どうか体を大切にダイナマイト関西らしく生きてください」と伝えてOZアカデミーでの全過程が終了したとし、「ちえちゃん、30年間本当に格好良かったよ」と素直な気持ちを伝え、2人で抱き合って涙を流した。

尾崎と関西は涙ながらに言葉を交わした 【写真:前島康人】

 その後、マイクを持った関西は「実は尾崎に手紙を書いてきました」と手紙を読みはじめる。「今一番言いたいことはありがとうという言葉です。ここに来るまで、本当にいろいろなこと、いろいろな時を一緒に過ごして、ケンカもして、それでも気がつけば、いつも尾崎がいてくれた。この30年という長い長い年月は、2人を大きく変えてくれましたね。一緒に暮らした寮生活から始まり、JWPの旗揚げ、団体対抗戦、OZに入団。特に対抗戦時代は忘れられません。尾崎や仲間がいたから、乗り越えてきたと思います。そして、麻里子の事故の時、ボロボロになったよな? 特に、尾崎が誰よりもボロボロになって、辛かったよな。あの時、尾崎が変なことを考えないか、お前がもうダメになるんちゃうかなと毎日、不安でしかたかなかった。オレに何ができるのか、何をしてやれるのか、何もできずにただそばにいるだけ。それしかできませんでした。それなのに、反対に尾崎から力をもらい、みんな前に進むことができた。考えてみれば、お前から力をもらったことの方が多いな。さすがに尾崎魔弓やなと思った。自慢の親友、尾崎魔弓です。最後になりますが、この30年、本当にお世話になりました。あなたに出会えて、あなたとプロレスができて、本当に幸せでした。一生の宝です。今のあなたに頑張れとは言いたくないけど、もう少しだけ踏ん張って女子プロを引っ張っていってください。本当にありがとうございました。大好きやで、まーたん。ちえちゃんより」と本音を伝えると、会場から大拍手が起こった。

 そして最後に10カウントゴングが鳴らされ、リングコールされると、大量の緑色の紙テープが投げ入れられ、ダイナマイト関西のレスラー生活30年の幕が下りた。

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