愛の迷いを乗り越えて。イラプト 「競馬巴投げ!第133回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

素人写真でも分かってくれる人はきっといすはず

 とはいうものの、とりあえず写真の説明から、と言いたいところだけど、先週、今週と名神高速が夜間通行止めで、朝イチの追い切りに間に合いそうになかった。前日から栗東、草津あたりに泊まり込めば間に合うんだけど、悲しいかな、そこまでの情熱も経済的余裕もない。正直言って、朝暗いうちから名神走って、坂路上まであがって、素人写真撮って、「これ、スポーツナビにアップして、誰か喜んでくれてんのかなあ?」という疑念はいつも持っている。

 某調教師なんか、競馬雑誌の依頼で取材に行って、その厩舎の某有名馬とのツーショットを頼んだら「素人に撮ってもらってもしょうがない」と言った。「なんで素人だって分かるんだろ? カメラが安っぽいせいか?」などと愛用カメラをあちこちから眺めながら、数年経ったいまでも心の隅で泣いている。

 いや、でも、文章書く人間が朝早くからトレセンへ行き、「素人だ」とか「調教の邪魔だ」とか色々言われながら撮ってきた写真でも、苦労を分かってくれる人はきっといるはずだと信じつつ、いまも撮っている。

 そんなことで、情熱不足で、今週はJCゼッケン装着の馬は撮れていないのだが、ちょっと前の関西有力馬の写真を出させてください。

[写真1]は武豊、北島三郎人気もあり、また秋天皇賞回避というのもかえって人気を押し上げそうなキタサンブラック。(これは昨年ダービー週の撮影)

[写真2]は秋天皇賞でいい末脚を見せ、またドバイ以来のライアン・ムーアとのコンビでも人気を呼びそうなリアルスティール。(秋天皇賞週の撮影)

[写真3]はアルゼンチン共和国杯を快勝したシュヴァルグラン。ダービー、秋華賞勝利と今年の友道厩舎の開花は凄いが、JCまで勝てば一気に賞金王に手が届く。(春天皇賞週の撮影)

[写真4]サウンズオブアース 【写真:乗峯栄一】

[写真4]は去年有馬記念で2着に来たサウンズオブアース。この時期に強いのかもしれない。今年初め、高松宮記念、桜花賞と暴れまくった藤岡健厩舎、年末に来て再び暴れ出すかもしれない。(春天皇賞週の撮影)

[写真5]レインボーライン 【写真:乗峯栄一】

[写真5]は菊花賞で強烈な末脚で2着に入ったレインボーライン。春は短距離馬というイメージだったが、父ステイゴールドの血が開花か。(菊花賞週の撮影)

[写真6]ワンアンドオンリー 【写真:乗峯栄一】

[写真6]は一昨年ダービー馬ワンアンドオンリー。いつ復活があってもおかしくないのだが、今回はどうか。父ハーツクライはJC2着を復活のきっかけにしたが。(昨年有馬記念週の撮影)

欧州の芝馬は強いことを府中で見せてほしい

 ということで、肝心の予想だ。繰り返しになるが、だんだん国際レースとしてのワクワク感が薄れ、普通の日本GIという感じになりつつある。寂しい限りだ。

 ジョンヘンリーや、トニービンなんかがやってきた頃は「一体世界の強豪というのはどんなものなんだ」という、身震いする感覚があった。

 それだからということでもないが、ジャパンカップでは世界の強豪のレベルの高さを見せて欲しい。「凱旋門賞は日本馬、JCは外国馬」は昔から変わらぬ願いだ。

 年々貧弱になっていくという感じの外国馬勢だが、イラプトに期待する。去年も直線、馬群を縫っていい脚を見せた。3歳から4歳への成長もあるはずだ。「やっぱりヨーロッパの芝馬は強い」ということをシャンティではなく府中の競馬場で見せて欲しい。ジャパンカップというレースそのもののためにも。

 単(8)イラプト千円。三連単・1着(8)固定、ヒモに(9)ディーマジェスティ、(17)シュヴァルグラン、(1)キタサンブラック、(3)ゴールドアクター、(4)ルージュバック、(16)リアルスティールの6頭の30点を各三百円。総計1万円勝負。

乗峯栄一の1万円馬券勝負! 2016秋の陣

<今週の1万円勝負(ジャパンカップ)>
単勝(8)イラプト×1,000円
3連単(8)イラプト1着軸固定→(9)(17)(1)(3)(4)(16)[30点]×300円=9,000円

<前回の結果(マイルCS)>
単勝(4)ロードクエスト×1,000円⇒ハズレ
3連単(4)ロードクエスト1着軸固定→(16)(5)(2)(8)(9)(15)[30点]×300円=9,000円⇒ハズレ

<前回までの収支>
−40,000円−10,000円=−50,000円

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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