JリーグCS、どんなゴールが生まれるか? 出場3クラブの得点パターンをデータ分析

 今年もJ1王者を争うJリーグチャンピオンシップ(CS)が23日から行われる。昨年同様、CS出場を決めたのは3チーム。セカンドステージを制し、年間勝ち点でも1位の浦和レッズ、同2位の川崎フロンターレ、ファーストステージ王者で同3位の鹿島アントラーズだ。準決勝は川崎vs.鹿島の1発勝負、勝者は浦和とのホーム&アウェーの決勝戦に臨む。

 既に来シーズンから再び1ステージ制に戻ることが決まっているため、現在の大会方式で年間王者を決めるのはひとまず今回が最後となる。過酷なリーグ戦を戦ったうえに、最後の短期決戦を勝ち抜く勝負強さを見せるのはどのクラブか。今回は各チームの得点パターンに着目し、データスタジアム社協力のもと、2016年シーズンのデータを分析した。CSを前に、各チームがどのような形からの得点が多いのか振り返ってみたい。

高い「シュート成功率」を誇る興梠

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 浦和の最多得点選手は興梠慎三でシーズン通算14ゴールを挙げた。武藤雄樹が12点、李忠成が10点でこれに続く。彼らに共通しているのは「クロス」からの得点が多いこと(それぞれ興梠5点、武藤4点、李5点)。「3−4−2−1」システムの「4」の両サイドでプレーする関根貴大が3人にそれぞれ2点ずつアシストしているのが特徴だ。

 また、特筆すべきは興梠の25%という「シュート成功率」。後述する川崎の大久保嘉人(15%)、鹿島の金崎夢生(12%)よりもかなり高く、今シーズン二桁得点を挙げた選手の中でも2位だ(1位の大宮アルディージャ・家長昭博とは0.1%差)。シュートの87%がペナルティーエリア(PA)内に限られるが、高確率でゴールへと結びつける。CSでも関根らサイドの選手からのクロスに、ピンポイントで合わせるゴールに期待がかかる。また、興梠のゴールを4点アシストしている柏木陽介とのコンビプレーも見逃せない。

シュートを多く打ってリズムを作る大久保

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 川崎の最多得点は大久保と小林悠の2人が15点と抜けており、次は中村憲剛の9点。大久保はシュート数が多く、99本は二桁得点を挙げた日本人選手で1位の数字だ。「パス」からのシュートが33本と突出しており、チームスタイルであるパス交換から、数多くのシュートを打って試合のリズムを作っていく傾向が出ている。PA外からのシュートは49%と、ミドルレンジからも積極的にシュートを放っている点が、興梠とは異なる特徴となっている。ただし、ゴール数は「クロス」からも多く、「シュート成功率」も24%と高いのでこちらも注意が必要だ(「パス」からの「シュート成功率」は9%)。

 また、特徴的なのが大久保、小林、中村の連係からの得点が多いことだ。小林は大久保と中村のゴールを3点ずつアシストしており、得点だけではなくアシストでもチームへの貢献度が高い。中村も小林の3ゴール、大久保の2ゴールをお膳立てしており、攻撃的なチームを支える要の選手だ。12日に行われた天皇杯4回戦ではPK戦の末なんとか浦和を下したものの、小林と中村をけがで欠いて終始リードを許す苦しい展開だった。データ分析からも、あらためて彼らの重要性が明らかになっただけに、2人がCSに間に合うのか。間に合ったとしてもどのようなコンディションなのかが気になるところだ。

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