大学代表の主将、阪神・坂本が再び1軍へ 猛虎の要へ、3カ月の2軍生活を糧に
笑顔でプレーしたフレッシュ球宴
前半戦は2軍暮らしが続いた坂本。後半戦は1軍でどんな活躍を見せられるか? 【写真は共同】
ウエスタン選抜は1点のみ。それをたたき出したのは阪神・板山祐太郎選手の、ライトポールを直撃するホームランだった。板山選手はオコエ選手とともに優秀選手に選ばれている。その阪神からは、守屋功輝投手、ルーキーの青柳晃洋投手、坂本誠志郎選手、そして板山選手の同級生4人が出場した。
その中で、スタメンマスクをかぶりソフトバンク・高橋純平投手をはじめ5投手をリードした坂本選手は「緊張しましたね、意外と。何だかいつもと動きが違いました」と振り返る。唯一の打席は3回、いい当たりの打球を放つもセカンドを守る埼玉西武・呉念庭選手のファインプレーに阻まれた。
「あのへんが僕ですわ。あれが抜けていれば、もっと違う選手になれました(笑)」。またサードのベースコーチも務め「藤本(敦士)コーチ、平野(恵一)コーチの気持ちがわかりました! 新鮮だった」と笑う。
大学のエースは最大級の賛辞
上原投手に聞いてみた。坂本選手はどんなキャッチャーか?
「ピッチャーの特徴をつかむのが早いし、その日の調子も全部踏まえてリードしてくれる。ピッチャーとの接し方も含め、いろいろなキャッチャーと比べて引けを取らないですね。それにプロ向きの性格だと思います。うまく盛り上げてくれる。チーム一の苦労人、一番信頼されていました」。キャプテンとしても「坂本がいるから、このチームがあると思えた」と最高級の賛辞である。
大学時代に明治大だけでなく、侍ジャパン大学代表の主将も務めた坂本選手本人は「単にそんな立場になっていただけです。僕が何かをしたというより、周りのみんなが頑張ってくれて、僕は代表していただけ」と謙遜するが、フレッシュ球宴でも「声を出して引っ張って、阪神の坂本ってメッチャ元気やん! と思ってもらえたら」と予告した通りベンチ前での円陣で、またグラウンドでゲキを飛ばす大きな声が聞こえた。
盗塁は2回試みられて、1回刺した。「思った通りにはいっていないけど、楽しかった! 楽しいが一番」というフレッシュ球宴の感想。来年は1軍のオールスターで? 「そうなったらいいですが、あれは選ばれて出るもの。選んでもらえるよう頑張ります」。その前に1軍へ行かないと。「そうですね! そこです。真剣勝負がかかってきますから」
2週間足らずの1軍登録
「悔しかったですね。ベンチにいることが目標じゃないですからね。出られずに戻ったことが悔しかった」。そして「試合に出て自分に何ができるか。次は『坂本を呼んで使ってやろう』と思ってもらえるように、成績も状態も保っていこうと決めました」
大学時代との違いを尋ねると「いろいろあります。言葉にするのは難しいんですが、ピッチャーもバッターも、他にも違いの大きい小さいではなく、多く感じていますね。それに慣れていかないといけないけど、慣れてしまうのが怖い部分もあって。慣れすぎないようにという思いも」と坂本選手は語る。