注目度上昇中のウィルチェアーラグビー 日本代表が語る競技の魅力とリオへの抱負

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

諦めずに、チャレンジし続けることが重要

モットーは「挑戦」と語った池崎(右) 【スポーツナビ】

 講演に続いて、松瀬氏と会場からの質疑応答が行われた。以下は質疑応答の要旨。

――モットーにしている言葉は何か?

池崎 「挑戦」です。何をするにしても楽なことばかりではないし、できることばかりでもない。自分が成長して高めていくためにはできないことにも挑戦しなければならないし、できることもより精度を高めていかなければならないと思っています。

島川 「Never give up」です。長い競技人生の中で楽しいこともつらいこともありましたが、諦めないことによって道を切りひらいてきたと思っています。常に諦めないでいれば、常に前を向いていられる。これからもこの気持ちを持ったまま突き進んでいきたいと思います。

今井 「為せば成る」です。何事もやらなければ達成できない。常に走り続けないと結果は出せないと思うので、試合に向けての準備もそうですし、試合中もしっかり汗をかかないと勝利をつかめないので、そういう意味を込めてこの言葉を選びました。

――切実に必要なサポートは何か?

池崎 まずは練習する場所が必要です。ウィルチェアーラグビーは転倒もするし、床に傷がつくこともあるので、いろいろな制限があるので場所の確保が難しい。場所があればもっと練習ができるのではないかと思います。

――車いすの車輪が斜めについている理由は?

今井 斜めになっているのはターンをしやすかったり、左右に動きやすいからです。当たった衝撃に耐えやすい、バランスを取りやすいという理由もあります。

――1チームは何人で構成されていて、日本には現在どのくらいチームがあるのか?

島川 ベンチに入れる人数は12名。その中でラインアップを変えながら4人が出場します。交代人数の制限はなくて、ボールがデッドになっていれば自由に交代ができます。国内には11チームあります。もう少し増えてほしい気持ちもあるので、パラが終わったあとは普及活動をして選手を発掘したいですね。

――体格差やスピードの差をどう埋めるのか。当たり負けない技術とは?

池崎 車いすは前後に移動しますが、横にはなかなか動かないので、車いすの側板で受ける技術があります。あとはフェイクを使って、かわしたりすることもあります。

――ウィルチェアーラグビーにおける日本人選手の特徴とは?

島川 スピードは他の国よりも速いと思っています。あとは細かな技術は日本の方があると思いますね。パワーだけで戦うチームもある中で、細かく戦略を詰めてやっているのは日本の強みだと思います。

今井 体格が大きいほうが有利だとは思いますが、速く動かなければいけないので、重さと速さを兼ね備えた選手が一番強いです。

目標は金メダルと明言

パラリンピックでの目標を聞かれると、3人ともそろって「金メダル」と答えた 【スポーツナビ】

――パラリンピックでライバルになりそうなチームの特徴を教えてほしい。

今井 カナダはミスをしないチームなので、バランスがいいチームです。オーストラリアは世界トップレベルの選手がいて、その選手たちのパワーがすごいです。米国は全員のパワーとスピードがあるので、こちらもバランスが取れたチームです。自分たちがミスをしないようにしないと、勝てない3チームです。

――練習はどのくらいやるのか?

池崎 僕は週に5〜6回ぐらいです。筋力トレーニングをやりながら、所属チームの練習もあります。ほぼ毎日ですね。

――試合時間はどのくらい? 1試合で何点ぐらい取れば勝てるのか?

島川 試合時間は8分の4ピリオド制です。ボールがデッドのときは時計が止まるので、1試合で大体1時間半〜2時間ぐらいですかね。点数は50〜60点ぐらいです。

――施設以外でこれから必要だと思うサポートは?

島川 車輪に松やにを使っているので、練習をするとタイヤの跡などで汚れがつきます。今は練習が終わったあと、選手たちが1時間半ぐらいかけて掃除しているので、そこを手伝っていただけるボランティアの方がいればうれしいです。

――パラリンピックの目標は?

池崎 勝負であり、勝ち負けがあり、順位が決まる以上は世界一を取りたい。金メダルを目標にしてやっています。

今井 目指すところは頂上なので、みんな同じだと思いますが金メダルを取りたいです。

島川 本当に負けるという言葉が大嫌いなので、金メダルです。

あなたにとってラグビーとは?

ラグビーとは、「生活の一部」と答えた今井(右)、「人生そのもの」と答えた島川(左)、「家族みたいなもの」と答えた池崎(中央) 【スポーツナビ】

今井 「生活の一部」ですかね。これがないと生活にハリはないというか、すべてのことがラグビーに向けてやっているようなものです。今は栄養指導も入っているので、ご飯を食べることもそうだし、トレーニング環境も変わって仕事もトレーニングがメーンになってきているので、ラグビー自体が生活の一部です。なくてはならないものですね。

島川 いつも答えているのは「人生そのもの」。この競技をやっていなければ出会わない人、今まわりにいる人は出会わない人ばかりです。海外の選手やスタッフであったり、いろいろなところにも行ったし、本当に「人生そのもの」というしかないと思います。

池崎 ラグビーとは、「家族みたいなもの」ですね。すごく大事でなくてはならないものです。

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