東京のメダル候補が手にしたい2つのこと 十種競技ホープが海外武者修行を語る
若手の海外派遣に力を入れ始めた競技団体の1つが日本陸上競技連盟だ。2015年度より安藤スポーツ・食文化振興財団とともに「安藤財団グローバルチャレンジプロジェクト(グロチャレ)」を実施。2020年に活躍が期待される若手選手の海外活動を支援している。スポーツナビでは、参加選手に手記を依頼。派遣直後と終了時での心境の変化をお伝えする。今回は、14年日本インカレの十種競技で優勝し、今後の躍進が期待される川崎和也(順天堂大大学院)の生の声を紹介する。
今後の海外遠征のための第一歩
練習場所であるウエストモント大学内のトラックにて 【写真提供:川崎和也】
・派遣先1:ドイツ・ハンブルクケルン、マインツ
・期間:1月26日〜2月22日
・派遣先2:米国・カリフォルニア州サンタバーバラ
・期間:3月8日〜31日
私は、十種競技で8500点を取ることを目標にしています。8500点という得点が出せれば、国際大会でメダルを取れる可能性があるからです(自己ベストは7679点)。
目標を達成するためには、「トレーニングに対する考え方の確立」と「適応能力の向上」の2つが必要であると考えます。欧米の選手は25歳から30歳の間に記録を大きく伸ばしていることがデータで明らかになっています。私は、東京五輪を27歳で迎えます。そこで結果を出すために、欧米の選手がなぜ20代の後半に結果を出しているのかを明らかにしたいのです。海外遠征で多くの情報と実戦経験を積むことで、(自分の練習との)共通点と相違点を見つけることができます。また、考え方を確立することでトレーニングの効率も上げることができます。
適応能力は、国際大会で力を発揮するために必要不可欠な能力です。海外でのコミュニケーション、言語、食事、時差、気候などに適応し、国際大会で実力を発揮するためには、実際に海外で経験を積まなければいけません。そのため、本プロジェクトを今後の海外遠征の先駆けとして活用したいと考えました。