【スターダム】紫雷イオが巨体選手投げ成功でV2 宝城は里村とのタッグでイオ組に挑戦へ
スターダム勢は3連敗スタート……
イオがバイパーに勝利し赤いベルト2度目の防衛に成功 【前島康人】
前回の後楽園大会(1月17日)で発表された「スターダムVS世界選抜」の対抗戦。2月7日の新木場大会から連戦が続いており、今大会では3大タイトル戦を含むシングル7番勝負が行われた。
スターダム勢は美邑弘海(vs.チェルシー・グリーン)、渡辺桃(vs.キャット・パワー)、ジャングル叫女(vs.ケリー・スケーター)と新人勢が3連敗。覆しがたい体格差、パワーの差を見せつけられ、いきなりのピンチに陥った。
松本浩代が勝利し、スターダム勢が一矢を報いたが…… 【前島康人】
岩谷はハイスピード3度目の防衛に成功
岩谷はハイスピード3度目の防衛に成功。人気の高いイーヴィーに、お返しとばかりの顔面蹴りを食らわす 【前島康人】
序盤こそイーヴィーがハイスピードの展開に持ち込まず、力比べや関節技などで足を止めての展開となるが、徐々に岩谷が技術とスピードで上回っていく。蹴りやバックブリーカーなどで腰を攻めるイーヴィーに対し、岩谷はドロップキックで流れを断ち切り、ノーザンライトスープレックスで投げていく。またイーヴィーが必殺技のTTYL(変型のgo2sleep)を狙うが、これは岩谷が回し蹴りで逃れると、逆にフランケンシュタイナーで丸め込み、さらに顔面へのトラースキック3連発、延髄蹴り、強烈な張り手を顔面に食らわすと、最後はドラゴンスープレックスホールドで仕留め、対抗戦成績を2勝3敗とした。
試合後、岩谷は「正直、きつかったですけど、3度目の防衛ができて、(ハイスピード王座の)最多防衛記録に並びました。このままの勢いで、自分が記録を積み重ねていきたいと思います」とベルト防衛に安堵の表情を見せた。
宝城はタイトル戦連敗「どん底から這い上がる」
宝城はサンタナ・ギャレットの回転エビ固めにつかまり、3カウントを奪われてしまう 【前島康人】
宝城は「絶対に負けたくない」という気迫を見せつけるかのように、ゴング直後にいきなりサンタナの背中へスピアーを突き刺す。追い打ちをかけるようにエルボー、スピアーで場外へ落とすと、エプロンからジャンピングエルボーを打ち込み、優勢で試合を進める。しかし、すでに白いベルトを6度防衛しているサンタナは、宝城の串刺しエルボーをよけてから、ラリアット、ネックブリーカー、かわず掛けと連続攻撃で畳みかける。さらにトラースキックで場外に落とすと、すかさずトペスイシーダで飛ぶなど、攻撃の手を緩めない。
その後は一進一退の展開となるが、15分経過が告げられると、宝城がイカリで捉えた後に、背中へのダイビングエルボードロップを食らわすと、すかさず2度目のダイビングエルボードロップを狙うが、これは間一髪逃れられる。逆にサンタナがDDTから、ハンドスプリング式ムーンサルトプレスを食らわし、宝城はよろめくと、それでも裏拳での逆転を狙うが、それをよけられ回転エビ固めで何回転か回されると、宝城は返すことができず、3カウントを取られた。敗れた後、しばらく呆然としていた宝城だが、ベルトを高々と上げるサンタナに突っかかり、再戦を要求した。
タイトル戦連敗となってしまった宝城は、「ちょっと黄色信号でなく、赤信号です。負けたということは、何か原因があるから、自分を見つめ直したい。それでも宝城カイリは、一度どん底まで落ちないとなので……。この悔しさから這い上がるのが私なので、ここから新しい自分が出てくると思います。必ず這い上がります。心は折れません」と、悔しさに唇をかみしめたものの、前を向いて鍛え直すことを誓った。
イオは100キロ超のバイパーをジャーマンで投げる
イオは宣言通り100キロを超えるバイパーの巨体をジャーマンで投げきった 【前島康人】
体重差は2倍近くあり、体の厚みも全く違うバイパーに、パワーで圧倒されるイオ。それでもミサイルキックやランニングダブルニーなど、巨体にひるむことなくぶつかっていく。バイパーはラリアットでイオを倒すと、セカンドロープからのボディープレスを食らわすが、イオはカウント2で何とか逃れる。さらに今度はトップロープからのボディープレスを狙うが、これはバイパーがコーナーで足を滑らせたこともあり、イオが間一髪逃れると、すかさずバックに回ってジャーマンスープレックスを完璧に決める。そして、背中を向けているバイパーに、ムーンサルトプレスを食らわすと、そのまま逆のコーナーから、正面にムーンサルトプレスを食らわし、止めを刺した。
試合後、会場からの“大イオコール”を受けると、「宣言通り、あのバイパーの巨体をぶん投げてやりました。紫雷イオの背筋を信じて、ベルトを輝かせる。それがスターダムのエースです」と、誇らしげに語った。
サンダーロックvs.里村&宝城が決定か
仙台女子の岩田美香(右)が里村明衣子からの伝言を伝えた 【前島康人】
「宝城カイリと試合を組んでもらえないか? 刺激的な試合を見せます」との言伝があると、宝城は「里村が私と! ということは、試合を組むということは、私とタッグを組んでも良いということ? 分かった分かった! じゃあ、里村明衣子選手に私と組んで、サンダーロック(紫雷&岩谷)を倒しましょう、と伝えて」と、まさかのタッグのラブコールだと曲解し、次の後楽園で王者サンダーロックに里村&宝城で挑戦したいと申し入れた。
最初は呆気にとられたイオだったが、「私たちはいつでもどこでも何度でも、ベルトの防衛戦をやる。面白いじゃん。そのカード」と、急遽の提案にも乗り気で、一方のパートナーの岩谷も、「今のサンダーロックなら、何も怖いものはない。1回も(タッグを)組んだことがない奴にはね、負けないよ。宝城カイリ、里村明衣子、かかってきなさい!」と挑戦を受託する姿勢を見せた。
試合後、イオは「里村選手の発言が間違いなのか、考えてのものなのかは分からないですけど、チャンスは誰にでもめぐってくるものではないので、今回、宝城カイリはそれをチャンスだと思わないといけないし、それをつかまないといけないんじゃないですか? それでサンダーロックへの挑戦となりますが、サンダーロックは女子プロレス界の中でもかなりトップのタッグチームだと言われているので、負けるわけにはいかないです。ただ私も里村明衣子の強さは痛いほど分かっているので、私自身、里村選手と戦えるということと、(宝城と)そこと一緒なのという驚きはあります。けれども楽しみですね。今までにないパターンなので、また里村選手と肌を合わせられるのは感激です」と驚きもありながらも、年末に熱戦を繰り広げた女子プロレス界の“横綱”との再戦を、喜んで受け入れるつもりだ。
2月21日(日)東京・後楽園ホール 観衆:950人
<ワールド・オブ・スターダム選手権試合>
[王者]○紫雷イオ
(16分20秒 ムーンサルト・プレス→片エビ固め)
[挑戦者]●バイパー
※第7代王者の紫雷イオが2度目の防衛に成功
<ワンダー・オブ・スターダム選手権試合>
[王者]○サンタナ・ギャレット
(17分17秒 回転エビ固め)
[挑戦者]●宝城カイリ
※第7代王者のサンタナ・ギャレットが7度目の防衛に成功
<ハイスピード選手権試合>
[王者]○岩谷麻優
(12分45秒 ドラゴン・スープレックス・ホールド)
[挑戦者]●イーヴィー
※第12代王者の岩谷麻優が3度目の防衛に成功
<スターダムvs世界選抜シングルマッチ>
○松本浩代
(7分36秒 バックドロップ→片エビ固め)
●ケイトリン・ダイヤモンド
<スターダムvs世界選抜シングルマッチ>
○ケリー・スケーター
(7分38秒 インターナショナル・インシデント→エビ固め)
●ジャングル叫女
<スターダムvs世界選抜シングルマッチ>
○キャット・パワー
(5分47秒 ハリケーンボム→片エビ固め)
●渡辺桃
<スターダムvs世界選抜シングルマッチ>
○チェルシー・グリーン
(5分30秒 カーブストンプ→エビ固め)
●美邑弘海
<キャプテンフォール6人タッグマッチ>
米山香織、加藤悠、[C]○あずみ
(9分53秒 回転足折り固め)
安納サオリ、万喜なつみ、[C]●スターライト・キッド
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