【スターダム】 赤いベルト“頂上決戦”はイオが勝利 岩谷はハイスピードV2で5周年を飾る
ワールド・オブ・スターダムの防衛に成功した紫雷イオ 【前島康人】
メインイベントではワールド・オブ・スターダムの赤いベルトを懸けて、王者・紫雷イオと挑戦者・宝城カイリが激突。お互いを出し尽くした激闘は、大技でたたみかけたイオがムーンサルトプレスで宝城を仕留め、初防衛に成功した。
掟破りのダイビングエルボー
宝城との頂上決戦は激闘に。最後はイオが大技でたたみかけて3カウントを奪った 【前島康人】
試合は序盤から激しいぶつかり合いが続き、感情むき出しのエルボー合戦やチョップ合戦、強烈なドロップキックや蹴りなどを出し合っていく。また場外戦では、イオがお得意の後楽園ホール階段付近でのムーンサルトプレスを狙ったところを宝城がカット。逆に、階段出口上部からのダイビングエルボーを食らわすと、さらに助走をたっぷりとってのスピアーが炸裂。イオはなんとかカウント19でリングに戻るが、宝城はさらにダイビングエルボー、スピアー、逆片エビ固めからのイカリ、背中へのフットスタンプを連続で決め、イオにダメージを与える。さらにコーナートップに上り、掟破りのムーンサルトプレスを狙おうとするが、これはバランスを崩し、そこにイオが立ち上がり、逆に雪崩式フランケンシュタイナーで返す。
この後も宝城がスライディングDを決めるなど、追い込むシーンも見られたが、20分を過ぎたところでイオがジャーマン4連発を決め、宝城のお株を奪うダイビングエルボードロップ、ダブルアーム式フェースバスタ―とたたみかけるが、宝城も意地を見せ3カウントを取らせない。
この後もフィニッシュ狙いの大技が繰り出され、宝城のダイビングエルボードロップがイオに炸裂するが、これはカウント2。ならばともう一度狙うが、今度は膝剣山で防がれる。逆にここからイオがラッシュをかけ、ツームストンドライバー、だるま式ジャーマン、さらにタイガースープレックスを繰り出すと、最後はムーンサルトプレスをしっかりと決め、熱戦に終止符を打った。
2月に外国勢との対抗戦が決定
次回の後楽園大会でスターダム日本勢と外国勢の対抗戦が発表される 【前島康人】
そしてイオが「(赤いベルトの)次の挑戦者は誰なのかな?」と会場を見渡すと、安川惡斗を先頭に大江戸隊と外国人選手が登場。そしてリングに上がり、次の挑戦者を名乗り上げようとすると、会場が暗転し、大画面にワンダー・オブ・スターダム王者のサンタナ・ギャレットからのメッセージが流れる。そのメッセージの最後に、次回の後楽園ホール大会、2月21日に「スターダムvs.世界選抜」という対抗戦が決定と表示。リング上に集まった選手たちは呆気にとられた表情となるが、それでもイオが「よく分からないけど、とりあえず、スターダムと外国人軍団の対決になるんだね。全面対抗戦だ」と理解すると、大江戸隊のメンバーに向かい「アイ アム チャンピオン!」とアピール。すると、100キロを超える巨体を持つ大江戸隊のバイパーがイオをなぎ倒し、ほかの選手たちも倒しまくる。そして最後には倒れているイオに対してボディープレスを食らわすと、ファンの大ブーイングの中、リングを去っていった。
外国勢の強襲に不意をつかれたイオだったが、「意味が分からないけど、スターダムはいろいろあったから、こんなことは大したことないよ」と主張。そして、宝城がマイクを持つと、「何で、何でやねん。何で、何でやねん!」と不思議な関西弁で話すと「負けて悔しいと思ったら、なんだこれ? でもイオさん、赤いベルト、絶対あきらめないから。(ベルトを)持ってて下さいよ。なんか良く分からないけど、売られた喧嘩は勝ってやりますよ」と赤いベルトへの執念を見せつつも、外国勢との対抗戦には手を組んで戦うことを誓った。
岩谷はハイスピードV2 挑戦者に渡辺桃を逆指名!?
旗揚げメンバー唯一の選手となった岩谷は、ハイスピードの防衛に成功し、自身の5周年を勝利で飾った 【前島康人】
序盤はハイスピードらしい攻守の切り替えが早い展開となるが、岩谷がドロップキックの自爆で場外に落ちてしまうと、そこへレイがドラゴンロケット3連発を繰り出すなど、挑戦者が有利な展開になる。それでも、ドロップキック、ダイビングフットスタンプで形成を逆転してみせると、岩谷が王者としての意地を見せる。
10分過ぎにはレイのサマーソルト・アタックを食らうが、すぐに立ち上がりジャーマンを決めると、2人はダブルノックアウト状態に。一進一退の攻防の中、岩谷はドラゴン・ラナ、雪崩式フィッシャーマンズスープレックス、そしてダイビングフットスタンプと大技を繰り出すと、最後は得意の二段式ドラゴンスープレックスホールドでレイを仕留め、自身の5周年記念試合を「一番欲しかった」ハイスピードのベルトを防衛するという形で飾った。
5周年を迎えた岩谷は、「(5年間が)早かった。それにデビュー当時から自分が一番欲しかったベルトを5周年の大会で防衛できて、本当に残っていて良かったなと思います」と感慨深く振り返った。
ハイスピード王座の最多防衛記録が4回ということで、記録の更新を目標に掲げる岩谷だが、「ハイスピードはまだ夏樹さん(現・南月たいよう)のイメージが強いので、それを払しょくしないといけない。奥が深いベルトなので」と回数だけでなく、試合内容にもこだわりを見せたいことを話すと、次期挑戦者には渡辺桃を逆指名。「私もハイスピードが欲しいと言い続けて、夏樹さんや米山さんに挑戦したので、(渡辺桃には)ハイスピードのベルトに挑戦してもらって、ハイスピードを一緒に価値を高めていきたい」と後輩へラブコールを送った。
さらに岩谷の腰に巻かれたことがないベルトが赤いベルトのみということもあり、「(2016年は)グランドスラムを目指します。それとサンダーロック(イオとのタッグ)でも、誰にも越えられない防衛記録を重ねたい」と、5周年を越えて、さらに意欲を示した。
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