次なる目標は「日本武道館、進出!」 風香GMが語るこれからのスターダム

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これからのスターダムについて風香GMに聞いてみた 【スポーツナビ】

 女子プロレス団体スターダムの5周年記念興行「スターダム5周年記念日」が17日に東京・後楽園ホールで開催される。

 前回のコラム(“ブーム”と“激動の1年”を乗り越え 風香GMが振り返るスターダムの5年間)では、風香GMにこの5年間で印象に残った出来事ベスト5を語ってもらった。今回は、スターダムの「これから」についてを語ってもらい、新しいステージに入ったスターダムの野望などを聞いてみた。

今年は宝城カイリに期待!?

風香GMは「2016年の女子プロ大賞をほーちゃんに!」と期待 【スポーツナビ】

――前回は、これまでの5年間をベスト5形式で振り返ってもらいました。改めて、風香GMがこの5年間に点数を付けるなら、何点でしょうか?

 100点でもいいですけど、90点にしましょう!

――ということは、満足な5年間だったと?

 満足です! 5年間勢いが落ちなかったことは大きな成果ですし、1、2年目はブームのような現象と言われていたけど、一過性のもので終わりたくなかったので、必死にここまでやってきました。もちろん、波はありましたけど、ここまでこれたのは成功だと思いますね。

――その中で「激動の2015年」となりましたが、最後は紫雷イオ選手の女子プロレス大賞受賞で締めくくりました。それを受けての2016年ですが?

 素直にめちゃくちゃ嬉しかったです!今年もスターダムから大賞は選出されたいですね。勢い的に、今年は宝城カイリが東スポ大賞、取れたらいいなーって。(笑)

 15年は東スポではイオが大賞、カイリが2番、週刊プロレスでは、里村(明衣子)さんが1番、カイリが2番でした。プロレスの実力にはまだトップにいるわけではないのにそこにいるということが、逆に大きな可能性だと思っています。さらに実力が伴ってきた時には文句なしでカイリという時がくるかもしれませんね。それに期待したいです!

武道館を1回だけでなく、恒例行事に

ビッグイベントでは別れもあるけど、今後は恒例行事にも!? 【前島康人】

――団体としては、2015年は毎月の後楽園大会を成功させています。そこで、次のステージを目指すとするなら?

 やっぱりまた両国国技館や日本武道館で大会をやりたいですよね。今までは土台作りをしなければいけないという思いがあったのですが、あれだけいろいろなことがあっても崩れなかったというか、何度も立て直してこれたのはすでに土台ができ上がっていたのかなって。波はあったけれど、そういう意味では次のステージに進む準備はととのっていると考えています。

 だから勝負したいですね! それが今年なのか、もう少し先なのかは今ははっきり言えませんが。ただ、今年はすでに大阪と名古屋でのビッグマッチを発表しているので、東京でのビッグマッチは来年以降かもしれないですね。でも、今年中に「やります!」という発表ができるといいなーと。

――なるほど。「日本武道館、進出!」が次の目標ということですね。

 今の時点ではあくまでも目標ですが。でも、大きい大会って、誰かの引退とか、そういう発表になってしまったりするのが複雑で……(苦笑)
 それは寂しいですけど、終わりが来るのは当たり前なので、最高の終わりを!

――先に予言してしまうのですね(笑)。でも毎年開催にして、恒例大会になるともっといいかなと思います。

 あ、そうですね! 今はまだビッグマッチは節目でしかできてないけど、それを恒例行事にしていけたらいいですね。じゃあ、まずは1回やること。次はそれを恒例にしていくことを目標にします!

新人育成がこれからも重要課題

初期メンバーから大きく様変わりはしたが、今後も新人選手が支える団体で 【写真:(c)スターダム】

――目標達成のためには、新しい選手も必要かと思いますが、新人選手に関してはどうですか?

 私たちはこれだけ人が変わっても勢いが落ちなかったのは、新人が次から次に誕生したからだと思います。新人に生かされてきた部分がめちゃくちゃ大きいと思いますね。それが命綱だと思うので、これからも新人育成は大事にしていきたいです。育成に関しては、自分がやってみて思うのですが、現役選手では十分にできないと思うんです。練習生のためにかける練習時間や、キャラクターを見抜くために一緒にすごす長い時間が必要です。それが自分には今できるので、今年もどんどん面白い選手を育てていきたいと思います。

 今のスターダムは「かわいい子たちが激しいプロレスをしている」っていうことを打ち出しているんですけど、それだけじゃなくスターダムのコンセプトに合わなくても、一緒に盛り上げようとしてくれる人ならぜひ来てほしいし、今年はどんどん層を広げていきたいです。いろいろなことがあったけど、今は本当にいい雰囲気で団体が動いているから、いろいろな人材を待っています。

――最近、若い選手の話を聞いていると、「自分が女子プロレスブームを作るんだ!」と意気込んでいる選手も多いですよね。

 それは今のプロレスやプロレスラーに憧れて入ってきただけじゃなくて、ほかのジャンルで活躍してきたから、「自分ならもっとできる」という自信があるんだと思います。スターダムだったらジャングル叫女、センダイガールズだったら橋本千紘選手は、学生時代に成功をおさめてるアスリートなので。たまたま今年のデビュー組に期待の新人が重なったから自信のある発言も似ているのかも知れませんね。やってきたことに対する自信も実力もともなってるからその言葉がビッグマウスには聞こえないし、だからといって偉そうではなく、謙虚に自信を漲らせているんですよね。

 どの団体でも、人気選手が引退して一時的に人気が落ち込むのはしょうがないと思うんです。それはスターダムも同じです。ただ、私は人気選手が一人抜けたら三人の新人で応戦しようと考えています。そこにかける熱が誰よりも強いのが私の特長で、選手は人気選手が抜けたからと言って絶対に盛り下げてたまるかとそれまで以上に頑張るのがスターダムの特長です。私や選手がそれぞれの役割でそういう気持ちを強く思っていたことが、ここまで勢いが落ちなかった要因だと思いますね。

心強い仲間たちと変わらずに頑張っていく!

2015年は風香GMもいろいろありましたが……、これからも変わらず頑張っていく! 【スポーツナビ】

――さて最後になりますが、風香GM自身の2016年の目標は? 昨年はいろいろありましたが……?

 私はもうマイペースに(笑)。自分もいろいろあったけど、自分もいろいろあったからこそ、ほかの人に何か起こった時は守りたいと思ったし、逆に去年はまわりに支えられたから。あの時は、下の選手たちが「私が風香さんを守ります!」とか「何かあったら何でもするから言ってください」と励ましてくれて、私からしたら1から育てて子供や妹みたいに思ってたのに、すでに大きく育って、なんて心強い仲間になってたんだろうと感動しちゃいました!

 だから今は仲間として本当に信頼していますし、あの時連絡をくれた選手や親御さんや、会いに来てくれた選手への感謝は忘れちゃいけないと思っています。その子たちに何かがあった時は、全力で守る気持ちはありますね。

――それではこの1年はどう過ごしていきたいですか?

 これからも、何もないことはないと思うんです! 歩みを止めない限りは、また何か悪いニュースもあるかもしれないですし、投げ出したくなることも人間なのであると思います。それでも、変わらずに居続けること。それは小さいようだけど、本当は一番難しくて大きなことだと今は思います。ですから、いろいろなことがあっても、今年も変わらないことを目標に頑張ります!

(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)
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