アメリカズカップを熟知する乗員たち 求められる若く優秀な日本人クルー

中山智

現状のクルーはギリギリの5名

バウマンを担当するのが総監督も務める早福和彦(右から2人目)だ。日本人では最もアメリカズカップを熟知している 【Yoichi Yabe / Sofbank Team Japan】

 AC45Fの最後のポジションがバウマン。基本的には艇の最前方に位置し、他艇との位置関係や風や波などのコンディションを、ほかのチームメートに伝える役割を担当する。もちろんバウマンも作業自体はほかのポジションと重なっており、ダガーボードのコントロールなどを行うケースもある。

 このバウマンを担当するのが、ソフトバンク・チーム・ジャパンの総監督も務める早福和彦。1995年大会と2000年大会にニッポンチャレンジのクルーとしてアメリカズカップに参戦し、以降も他国チームから参戦経験がある、最もアメリカズカップを知る日本人だ。

 このほかにもショアチームとして、ボートのメンテナンスや電気技師といったサポートメンバーもソフトバンク・チーム・ジャパンに参加している。ただし現状ではレースに参加するセーリングクルーは5名とギリギリの人数。ケガや不測の事態でクルーが欠場してしまうと、レースに参加できない可能性もある状況だ。

 そこでソフトバンク・チーム・ジャパンは、2017年大会に向けて11月末にグラインダーをメインとした日本人クルーの選考会を日本で開催する。現在のセーリングクルーは全員アメリカズカップ経験者だが、ソフトバンク・チーム・ジャパンが躍進するためには、若く優秀な追加クルーの参加が絶対条件と言えるだけに、選考会の結果に期待したいところだ。

(協力:ソフトバンク・チーム・ジャパン)

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著者プロフィール

1974年生まれ。本業はITやモバイル業界をメインに取材・執筆をしているフリーライター。海外取材も多く、気になるイベントはフットワーク軽く出かけるのがモットー。大学在学中はヨット部に所属し、卒業後もコーチとしてセーリング競技に携わっている。アメリカズカップのリポートをとおして、セーリング競技に馴染みのない人たちへヨットの認知度アップを狙っている

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