“ザ・ガーデン”で迎えたホーム開幕戦 杉浦大介のNBAダイアリー ニックス編

杉浦大介

イースタン制覇の大本命はキャブズ

イースタン・カンファレンスはレブロン(写真)擁するキャブズが大本命であることは間違いない 【Getty Images Sport】

 最後に今季のNBA全体の見どころを紹介しておきたい。注目の優勝争いは、まずイースタン・カンファレンスはクリーブランド・キャバリアーズ(キャブズ)が絶対の中心になると見られている。キャブズの大黒柱として君臨するのが、現役最強プレーヤーの呼称を欲しいままにするレブロン・ジェームス。この怪物の周囲を、カイリー・アービング、ケビン・ラブといった魅力的な選手が取り囲む。

「優勝は保証できない。その難しさは分かっている。まだ準備はできていないし、これまで以上に時間がかかるかもしれない。ただ、自分がこのチームをまとめ、到達したことがない場所まで導くことを助けられるのが楽しみだ」  

 14年7月、故郷オハイオ州のチームであるキャブズへ復帰を決めた際、レブロンは『スポーツ・イラストレイテッド』誌に発表した手記にそう記した。

“時間がかかる”という覚悟に反し、キャブズは昨季にけが人続出ながらファイナルまで進出。今季も2年連続イースタン制覇の大本命と目されている。

 10代の頃から“選ばれし男”と呼ばれてきたレブロンは、1970年の創設以来、一度も優勝経験のない故郷チームを頂点に導けるか。それこそが、15−16年シーズンの最大の焦点になるだろう。

4強以外にも強豪ひしめくウェスタン

 一方のウェスタン・カンファレンスは、昨季にキャブズを破って優勝したゴールデンステイト・ウォリアーズ、2年前の覇者サンアントニオ・スパーズ、過去通算4度も得点王を獲得したケビン・デュラントが率いるオクラホマシティ・サンダー、数多くのスター選手を擁するロサンゼルス・クリッパーズ の4強が横一線と見られる。

 昨季の大躍進で全国区の人気者となった童顔のスーパースター、ステフィン・カリーとウォリアーズの2連覇への挑戦は楽しみ。ただ、ウェスタンは上記の4強以外にも強豪がひしめいており、再びファイナルまで勝ち進むことは容易な作業ではなさそうだ。

 また、ロサンゼルス・レイカーズが優勝争いに絡むのは難しくとも、この名門チームのエース、コービー・ブライアントの行方からも目が離せない。ファイナル制覇4度、オールスター17回という輝かしい実績を誇るコービーも、もう37歳。今季限りで引退するのではと推測する声もある。それだけに、今季を通じ、レイカーズの行く街はどこでも、コービーの姿を目に焼き付けたいファンで溢れ返るはずである。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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