全米を震撼させた“レブロンの夏”再び オプトアウトを選択し、移籍市場へ

杉浦大介

注目を集めた10年の「ザ・ディシジョン」

ヒートとの残り2年間の契約をオプトアウトして、FA権を行使すると発表したレブロン 【Getty Images】

“続編に名作なし”。一般的にはよくそう言われるが、NBAのスーパースター、レブロン・ジェームス主演の「ザ・ディシジョン(決断) パート2」はどんな結末を迎えるのだろうか――。

 現地時間6月24日、レブロンはマイアミ・ヒートとの契約最後の2年間をオプトアウト(契約放棄)し、FAになることを米メディアが一斉に報じた。MVPを過去4度獲得した文句なしの現役No.1プレーヤーは、7月1日以降に全チームとの入団交渉が可能になる。

 クリーブランド・キャバリアーズに属していたレブロンが、初めてFAになったのは2010年夏のこと。その争奪戦はスポーツ界の範ちゅうを超えるほどの注目を集め、「ザ・ディシジョン」と銘打たれたテレビ番組で、レブロンがヒート入りを発表したシーンを記憶している人は多いはずだ。

 4年の時が流れ、ここで物語の“続編”がスタートすることになったのである。

ヒートとの再契約が濃厚と考えられるが……

「もしもレブロンがクリーブランドに戻りたいと考えているとしたら、彼をどうやって勧誘しますか?」
 26日のドラフト全体1位でキャバリアーズから指名を受けたアンドリュー・ウィギンスにまで、会見ではレブロン絡みの質問が飛んでいた。

 そんなエピソードに象徴されるように、これから先、リーグ内の話題はレブロン争奪戦一色になりそうだ。4年前に激しく批判されただけに、決断をテレビ番組で発表する手法こそ今回は避けるだろう。しかし、決着の瞬間が巨大なニュースになることは変わらないはずである。

 契約オプトアウトと報道されると移籍決定のように聞こえるかもしれないが、実際にはFAになった上で所属チームとも再契約できる。今回のレブロンのケースも、その可能性が最も高いと信じられている。

 ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュとの“ビッグ3”を主体としたヒートは、過去4年連続ファイナルに進出し、2個のチャンピオンリングを勝ち取った。ほぼ同じ主力メンバーで臨んでも、来季もイースタン・カンファレンスの優勝候補筆頭と目されるはずである。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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