バルセロナがリーガを去る日は近い? カタルーニャ州の選挙が左右するもの

もしカタルーニャが独立すれば

カタルーニャ州の旗を振るバルセロナのファンたち。前後半の17分14秒には独立コールがスタジアム内に鳴り響く 【写真:なかしまだいすけ/アフロ】

 現地時間9月27日に行われるカタルーニャ自治州の州議会選挙が左右するもの。それは新たな首相が誰になるかだけではない。もしこの選挙で分離独立派の政党が過半数の議席を獲得すれば、カタルーニャは国家としての独立に向けて本格的に動き出すことになるからだ。

 9月11日のラ・ディアーダ(カタルーニャのナショナルデー)には、約200万人もの民衆が通りに出て独立への支持を表明していた。その光景を目の当たりにした人でなくとも、カンプノウに足を運び、もしくはテレビでバルセロナのホームゲームを観戦すれば、前後半の17分14秒に独立コールの大合唱を聞くことができる。この数字はカタルーニャの首都バルセロナがスペイン・フランス連合軍に攻め落とされた年(1714年)を示している。

 こうした流れの中、はたしてカタルーニャが独立国家となった後もバルセロナ、エスパニョールらカタルーニャのクラブがリーガ・エスパニョーラに所属できるのかどうかという問題は、今やスペイン国内にとどまらずヨーロッパのフットボール界でも懸念されるようになっている。

 カタルーニャが政治的にスペインから独立すれば、カタルーニャ内のクラブはリーガ・エスパニョーラに所属することができなくなる。そうなれば他国のリーグへ移るか、カタルーニャ内に独自のリーグを作るしかない。フットボールに詳しい法律家はもちろん、エコノミストや関連組織の要人たちが今、そろってそのような警告を発している。

希望的観測を許さない政情

もしカタルーニャが独立した場合、バルセロナがリーガを抜ける可能性もある 【写真:ロイター/アフロ】

 実際、先週にはカタルーニャフットボール協会(FCF)が「リーガ・カタラナ・デ・フットボル・プロフェシオナル」(カタルーニャプロフットボールリーグ)の商標登録を試みたことが明るみに出た。名前が似ているという理由でスペインプロリーグ機構(LFP)から異議申し立てを受けたこの動きは、将来的な独立プロリーグの創設を見越したものであり、早ければ数週間後にも実現する可能性がある。

 スペインのスポーツ法では、スペイン国内の連盟に所属していないチームが国内のリーグに所属することが許されていない。フットボールの場合はスペインフットボール連盟(RFEF)への所属が条件となるが、RFEFはスペイン各州の連盟に属していないクラブの登録を受け付けていない。

 そのためスペイン政府のスポーツ上級審議会(CSD)は、バルセロナがカタルーニャの独立に伴い「外国のクラブ」となった場合には、法的な条件を満たさないためリーガ・エスパニョーラに所属することはできないと警告している。

 それはつまり、バルセロナやエスパニョールは他国のリーグに所属するか、FCFがUEFA(欧州サッカー連盟)やFIFA(国際サッカー連盟)に加盟した上で独自のリーグを創設することを待たなければならないことを意味する。

 もちろんアンドラのクラブがスペインの地域リーグに所属しているように、例外はある。つまり交渉次第でカタルーニャの独立後も現体制のリーガ・エスパニョーラが維持される可能性も残されているわけだが、現在の政情は希望的観測を許さない。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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