バルセロナがリーガを去る日は近い? カタルーニャ州の選挙が左右するもの
フランスに招かれる可能性も
再選を目指すアルトゥル・マス現カタルーニャ首相(左)は、独立した場合もバルセロナはリーガに残るべきと主張している 【Getty Images】
だがCSDのミゲル・カルデナル会長は彼の主張を「馬鹿げている」と一蹴し、「私はスペインリーグでプレーしない自分を想像することができない。それは自分自身がスペイン人ではないことなど考えられないからだ」と返している。
このような緊張状態を考慮してか、古くはアンチ・フランキスモ(反フランコ主義)、その後は長年に渡って分離独立主義を支持してきたバルセロナのようなクラブが、近年は明確な意思表示を避けてきたことも不自然だ。おそらくバルセロナは今回の選挙結果を踏まえた上で政治的な立ち位置を示すつもりなのだろう。
FCFがカタルーニャ内で作る新リーグは、リーガ・エスパニョーラと比べて競技レベルが著しく落ちることが確実だ。そのためバルセロナはフランスのリーグ1などに招かれる可能性もあると見られている。バルセロナが参入した場合、迎え入れるリーグが競技レベルとマーケティングの両面で大きな利益を得られることは間違いないからだ。
バルセロナが抜けた際の損失
バルセロナが抜けた場合、リーガが被る損失は計り知れないものがある 【写真:ロイター/アフロ】
バルセロナが抜けた場合、リーガ・エスパニョーラが経済的にどれだけの損失を被るのか、またバルセロナが他のリーグに移ることでスペインとヨーロッパの勢力図がどう変化するのかも、前もって検証すべきことだ。
UEFAやFIFAはFCFの加盟をすんなりと受け入れるだろうか? バルセロナはどのリーグに所属するのか? レアル・マドリー対バルセロナのエル・クラシコはヨーロッパのコンペティションか親善試合でしか見られなくなってしまうのか? リオネル・メッシ、ネイマール、ルイス・スアレス、ハビエル・マスチェラーノといった選手たちは他リーグでのプレーを受け入れるのか? すでに契約しているテレビ放映権収入はどうなるのか? バルセロナなき後のリーガ・エスパニョーラで他のクラブは生き延びることができるのか?
これまで知るすべもなかったこれらの疑問の答えは、日曜の選挙結果が出た後に明らかになっていくはずだ。
(翻訳:工藤拓)