女性カメラマンが見たラグビーW杯 歓喜と地獄の(?)一週間

志賀由佳

9月20日(日)「南ア戦勝利で入国審査が楽に…!?」

8万9019人が入ったニュージーランドvs.アルゼンチン。W杯の観客動員数記録を塗り替えた 【Photo by Yuka SHIGA】

 大興奮の一夜から明けた翌日は、日本での報道をひたすらチェックしました。「おー!Yahoo!のトップに載っているよ!」と興奮。「テレビでこんなに扱われていたよ」とメールがくればまた興奮。
 そんなフワッフワした気持ちでニュージーランド対アルゼンチンの試合を撮りにウェンブリースタジアムへ向かいました。この日の観客数は8万9019人!! W杯の観客動員数記録を塗り替えたそうです。ちなみに今までは2003年オーストラリア大会の決勝戦、8万2957人が最高でした。

 ピッチでサポーターを撮影しようとウロウロしていると、陽気なアルゼンチン人から「おめでとう!ジャパン!」と声をかけられ、勝利を確信しているニュージーランド人から「今日はハッピーだね!」とウインクされ、またフワッフワした気持ちになりました。
 知人の話によると、われわれが入国した時はいろいろと細かく聞かれ、厳しかった入国審査も、南アフリカ戦以降に入国した人はすんなり入れたそうです。勝利の恩恵がいろいろなところに出てきています。

9月21日(月)「広がるラグビー仲間の輪」

「みんなのジャパンウェイ」のみなさん。南アフリカ撃破の後だったので盛り上がります 【Photo by Yuka SHIGA】

 朝から雨。ロンドンらしいお天気です。今日はやっとオフなので、夕方から「みんなのジャパンウェイ」という有志が主催するタッチラグビーをしにリッチモンドへ。が、雨でグラウンドが使用できなくなり、急きょパブに集まることになりました。リッチな街リッチモンドのパブです。素敵じゃないわけがありません。ビールのお値段も素敵な価格で、「プライベートでは来られないな……」と1パイントのビールを噛み締めながら飲みました。

「みんなのジャパンウェイ」とは、もともとロンドン在住の日本人が集まった「ロンドンジャパニーズ」というラグビーチームがあり、その主催者の方が各国に散らばっているラグビー好き日本人へ情報を発信するために作られました。
 この日はフェイスブックで情報を知った、日本から応援に来ていたサポーターの方も集まってラグビー談義を大いにしました。また勝利した後だったので話も弾む弾む。一段とラグビー仲間の輪が大きくなった夜でした。

9月22日(火)「海外メディアもジャパンに注目!」

前日練習に向かう五郎丸歩選手を世界中のカメラマンが撮影します 【Photo by Yuka SHIGA】

 もうスコットランド戦の前日です。早い。雨の中グロスターという街にあるキングスホルムスタジアムへ向かいました。メインゲートから入るとテレビの中継車が列をなしており、メディアセンターもたくさんの人が仕事をしています。海外メディアも多く、ジャパンのバスが到着するところから、たくさんのカメラが待ち構えていました。
 私も一緒に待ち構えていると、舘ひろしさんがストライプのジャケットをさっそうと着こなして歩いてこられたので、思わずシャッターボタンに手がいっていました。

 日本の新聞社で働いている外国人記者さんはラジオ出演やテレビ出演にひっぱりだこらしく、「日本のラグビーが海外からこんなに注目される日が来るとは……」と、目の当たりにしながらもいまだ信じられない気持ちです。

9月23日(水)「最高だったグロスターの観戦マナー」

約1万5000人収容と規模は小さいが、観戦マナーが最高だったキングスホルムスタジアム 【Photo by Yuka SHIGA】

 スコットランド戦当日。朝からグロスターの街はジャパンのユニフォームを着たサポーターがちらほら。みなさんが仲間のように思えて「おはようございます!」と挨拶しながらスタジアムへ向かいました。

 キングスホルムスタジアムは地元のラグビーチーム「グロスター」の本拠地です。「おらが街にはラグビーチームがあるんだ!」とラグビー愛にあふれた街です。そして観戦マナーも最高でした。
 キックオフ直後、まず先手を打ったのがスコットランドサポーター。「スコーットランド!」コール。負けずと「ニッポン!」コール。これを繰り返しながらも、ペナルティキックを狙う時は、シーンと静かになります。誰かが話をしていると、近くにいる人が「シーッ」と注意をします。マフィ選手が負傷退場した時も、暖かい拍手で送られていました。

 試合には負けてしまったけれど、素敵なラグビー文化に触れられてグロスターという街が少し好きになりました。この街にはまた戻ってきます。グループリーグ最終戦のアメリカ戦を戦い終わったときはジャパンが勝利し、決勝トーナメント進出を決め、少しではなく「とっても好き」になっていたらいいなと思っています。

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