バスケ新リーグの階層分けが決定 1部は18クラブ、3地区制も導入
3部リーグのクラブに足りなかったもの
階層分けが決まったことで、新リーグの全容が徐々に明らかになってきた 【スポーツナビ】
大河 福岡はアリーナの建設計画もあり、途中で撤退はありましたけれども、長い歴史があったので、1部と2部の間で最初は考えていました。しかし最近になりまして、福岡のメインスポンサーが撤退するということがあり、情勢が大きく変わったと認識しています。そもそもキャッシュフローが回るのか、クラブの経営をやっていけるのかという、そもそも論にたどり着いたわけです。福岡にも行ったり、何度も来ていただいたりして、ディスカッションを重ねました。そういった中で(リーグの)区分けが決まると、9月には16年シーズンの日程を決めなければいけない。クラブが健全に経営していて、1部ないし2部に入るチームには、翌シーズンに経営が破たんしたということが起きないということを、強く求める必要があります。という中から考えるとメインスポンサーが撤退し、その後釜が決まらない福岡が、トップリーグである1部、それに準ずる2部に入るにはまだまだ不安があるということです。財政面をしっかり立て直していただくことが必要です。とはいえ大都市・福岡市を抱えるクラブとして、スポンサーなど地元、行政の支援もボチボチ出始めていると思われますので、そこを固めて、早く2部と言わず1部に上がれるクラブになってほしいなと思います。
――福岡はアマチュアの競技レベルが高い割には、プロが定着しない状況が続いている。どうすれば根付いていくと思うか?
川淵 福岡には福岡大大濠のような強いチームがあって、良い選手も出ています。そういった子供たちのためにも、夢の受け皿があった方がいいと思います。今はクラブ全体がちょっと非力な感じがあります。それを変えていくためには、九州の中での地域リーグ的なことを、九州のバスケットボール協会の地域の責任者の許可を得て、活動していくのも一つの手だと思います。いずれにしろ(福岡は)九州でも一番の主力都市ですから、そこにプロのバスケットボールがないのは寂しい限りです。ぜひ多くの人のサポートを得て、いずれ一部に上がることを期待しています。
――熱いブースターがいる埼玉ブロンコスが2部に入れなかった理由は?
大河 埼玉は非常に歴史の長いクラブであることは承知しています。ただ財政基盤にかなり改善の余地はあるのかなと思っております。それは何度も、社長を含めて向き合ってきておりますけれど、改善が必要です。あとはホームアリーナをどうするのか。一応は所沢を中心にということのようではありますけれど、そこも、さいたま市の方なのか所沢なのということも含めて、しっかり根付く場所を決めていく。ということで課題は多いのかなと正直思っております。その中で3部と判断しました。
――金沢武士団も3部になったが、簡単な理由と今後の課題は?
大河 金沢と大分・愛媛、八王子の3クラブは、一度もリーグ戦を戦っていないという問題点があります。大分・愛媛は(大分ヒートデビルズとして)戦っているといえば戦っているということになるけれど、戦っていないので、2部に入れる評価をすることがなかなか難しいということがあります。(金沢は)良いアリーナもありますし、大都市・金沢でサッカーのチームも頑張っているようですから。ポテンシャルは非常にあると思います。しかし性急に2部ということでなく、まず地元にしっかり根付いてやってほしい。それに石川県のバスケットボール協会との関係構築もまだまだ足りないというふうに考えて、3部と判定させていただきました。
川淵 バスケットボール界は、実業団リーグとクラブリーグが別々にあります。そして各都道府県協会に必ずそれがあるかというとそうでないんですよね。(県内のリーグ戦が)全くないところの方が多い。そういうもの(実業団リーグとクラブリーグ)を一つに合併して、地域社会の中で一般人がプレーを楽しみ、その延長線上で、地域リーグから3部に入って2部、1部に進むという仕組みが、バスケットボール界にはない。ピラミッド型の組織を作ることが急務だと思っていますし、そういう方向で進めていきたいと思います。