ボルシアMGにあるはっきりとした哲学 歴史あるクラブがCL出場を決めた背景
目覚ましい発展を見せるこの数年
見届けてきた時期も含めて、この数年のクラブの発展は目覚ましいものだった。ほぼ2部リーグ降格が決まりかけながら、驚きの逆襲を見せ続けてきたのだ。
メンヘングラードバッハではこの数日、リーグ戦の“タイトル獲得”を祝っている。正しくは、タイトル獲得「のようなもの」と付けなければならないものではある。このフレーズは、シーズン終了を前にしてスポーツディレクター(SD)のマックス・エバールが使うものだ。普段は慎み深い物言いをするエバールSDは、こう語る。「チャンピオンズリーグ(CL)出場は、タイトル獲得にも並ぶものだ」と。
輝かしい歴史となった70年代
そんな時代は、遠く昔に過ぎ去った。
ノルトライン=ヴェストファーレン州に拠を置くクラブはこの数十年、厳しい時期を過ごしてきた。監督やディレクターが、やって来ては去って行った。80年代には中位以上に落ち着いていたが、近年争うのはタイトルどころか残留ばかりになっていた。
時には復活の兆しを示すこともあったが、あくまで短期的なものに過ぎず、継続性など存在しなかった。99年と07年には、ブンデスリーガ2部降格という苦難の道を歩まなければならなかった。大いなる伝統を誇るクラブが、間違った道を進んでいたのだ。彼らの聖地と呼べるスタジアム、ベケルベルク(以前のボルシアMGのホームスタジアム)はもはや力を失っていた。新たな力を与えたのは、ボルシア・パルクだ。この新スタジアムで、04年以降のクラブはチケット販売により収入を増やしていくことになる。
だが、成功というのは計算するのが難しいものだ。新スタジアムができて3年後に降格しているという事実が、何よりの証拠と言える。1部と2部の狭間をさまよったクラブは存続の基盤を確保するため、マルコ・マリン(現在はチェルシーからアンデルレヒトへ期限付き移籍)らタレントの売却を余儀なくされた。