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対照的なヘルタ・ベルリンの2人
苦しむ細貝と試合に出続ける原口の未来

大きく変貌を遂げたヘルタ

ダルダイ監督になってから、細貝はポジション争いの4番手という位置づけになっている
ダルダイ監督になってから、細貝はポジション争いの4番手という位置づけになっている【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 5カ月前にわれわれは細貝萌と原口元気、そしてヘルタ・ベルリンについて執筆した。移ろいやすいサッカーというビジネスの世界で、5カ月というのはあまりに長い時間だ。数週間のうちに順位表はガラリと変わりうるし、監督交代が行われていることだってある(残念ながら、1度とは限らない)。選手が目覚ましい変貌を遂げていることだってあるし、そのまったく反対の状況に陥ることもある。ヘルタはその本拠地たる巨大都市ベルリンよろしく、その表情を大きく変えてきた。


 われわれが前回のコラムを執筆した時、“老貴婦人”(ヘルタの愛称)は14位につけていた。あれから冬を越した今、クラブは残留争いを脱しきれていない。シーズン初めからチームを率いていたヨス・ルフカイ監督の肩書には「元」という文字が付け加えられた。後を継いだのは、元ヘルタのプレーヤーであり、ハンガリー代表の監督も務めたパル・ダルダイである。ヘルタが本拠を置く、ベルリンのシャルロッテンベルク/ヴィルメルスドルフのボスは、彼になったというわけだ。そのクラブはシーズン終了が近づく今、安全な状況にあるとは言いがたい。


 ダルダイがチームを預かった時、全員が競争をゼロからスタートさせた。ルフカイの下、細貝はキープレーヤーとなっていた。だが現在では、何の役割も与えられていない。『ベルリン・モルゲンポスト』のヨルン・マインは、その理由を心得ている。「監督はファビアン・ルステンベルガーを守備的MFの位置でプレーさせることを心に決めたんだ」。ルフカイはこのキャプテンを、センターバックとして起用していた。だがダルダイは、彼のことを最高のMFとみなしている。最終ラインの前のポジションは、このスイス人選手のものとなった。ルステンベルガーの次に新監督が信頼を寄せるのは、よりクリエイティブな守備的MFだ。それがペア・シリアン・シェルブレットであり、ペーテル・ニーメイアーとなっている。


 細貝はルステンベルガー同様に攻撃面では見劣りするものの、ニーメイアーよりは上である。だが、誰も攻撃に厚みを出す存在ではないというのが実際のところだ。そう評決を下すのは、『キッカー』誌のアンドレアス・フンジンガーだ。細貝は自身のポジションの素晴らしいマスターではあるが、今は結局4番手という位置づけになっている。


 こうした降格は、スポーツ的な理由によるものだ。だが、それだけがすべてではない、というのも事実だ。細貝が「よろしくない言葉」を使うのを、『ビルト』のマルテ・アキレスは目にしたという。指揮官は、こうした態度がまったく好きではない。細貝はルフカイの下で働き過ぎてしまい、昨季の素晴らしいパフォーマンスを取り戻せていない。そんな自分に、いら立ってしまっているのかもしれない。

コンディション不良やけがで評価を得られない細貝

「おそらく細貝は、リーダーになるという期待に沿えなかったのだろう」というのが、トルコでの冬期キャンプを見たフンジンガーの印象だ。2月頭のシュツットガルト戦の前、ダルダイとミヒャエル・プレーツSD(スポーツディレクター)は、細貝と膝を突き合わせて話し合ったという。どうして細貝が窮地に陥ったのか、分析したかったのだ。「堂々巡りの話し合いの中で、細貝はワールドカップとアジアカップで日本代表の一員として戦えなかったことを随分思い悩んでしまっていると、示唆したようだ」とアキレス記者は語る。「細貝は自分自身のことで、手いっぱいなんだ」。そう、自分のことと、おそらく原口元気のことで。


 若き日本人がドイツにやって来た時、面倒を見たのが細貝だった。「ピッチ内外で、細貝は原口のガールフレンドのように献身的だった」とマインは言う。「おかげで、自分のことへの集中が乱れてしまった。新顔の面倒を見ると同時に、自分自身のことがおろそかになってしまったんだ」とアキレスは続けた。


 この意見に細貝は同意しないだろう。一方で、自身が危機に陥っていることは理解している。もっと練習して良くなれば、動きを見て分かるだろうと指揮官が話したまさにその頃、負傷してしまったのだ。だからこそ、いまだに離脱したままでいる。


 脚に負った負傷は、なかなか回復しなかった。クラブドクターのウルリッヒ・シュライヒャーは回復を早めようとしているが、「コンディションを取り戻しても、チームに居場所はないだろう」というのが『ビルト』誌の記者の意見だ。細貝が「今季再び役割を与えられることはない」と、彼は考えている。

ダビド・ニーンハウス & フランソワ・デュシャト
ダビド・ニーンハウス & フランソワ・デュシャト

フランソワ・デュシャト 1986年生まれ。世界最大級のサッカーサイト「Goal.com」でドイツ語版の編集長を務め、13年からドイツで有数の発行部数を誇る「WAZ」紙のサイト(http://www.derwesten.de/)でドイツ西部のサッカークラブを担当する。過去には音楽の取材もしていた。ツイッターアカウントは@Duchateau。自身のサイトはwww.francoisduchateau.net。 ダビド・ニーンハウス 1978年生まれ。20年以上にわたり、ルール地方のサッカークラブに焦点を当て、ブンデスリーガの取材を続ける。09年からは「WAZ」紙のサイト(http://www.derwesten.de/)で記者を務める。ツイッターアカウントは@ruhrpoet。自身のサイトはwww.david-nienhaus.de。

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