自滅したマインツ、岡崎は敗戦引きずらず 今後待ち受ける過酷な残留争い直接対決
リーグ5試合無失点のレバークーゼン
PKを獲得した岡崎(赤)だが、前線で孤立することも多かった 【Bongarts/Getty Images】
今年に入り過密日程の中、レバークーゼンはCLのアトレティコ・マドリー戦、DFBポカールのカイザースラウテルン戦、バイエルン戦と延長戦を戦い続けている。疲労もたまっているだろう。それでも彼らはブンデスリーガで5試合連続クリーンシートを記録していた。
4月11日、マインツ05が戦った相手は、そのレバークーゼンだった。5カ月前、マインツがアウェーで戦ったときは0−0で引き分けたが、試合内容はレバークーゼンの迫力ある攻撃に圧倒されていた。しかし、今回のレバークーゼンは3日前にバイエルン・ミュンヘンとのポカール準々決勝を戦ったばかり。マインツとしては、レバークーゼンが動けないことを見越し「最初からフルパワーで行って、相手をのみ込むつもりだった」(試合後の岡崎慎司の談)とアグレッシブな戦術をとろうとしていた。
しかし、試合はマインツの思惑通りにいかず、レバークーゼンのペースで進んだ。岡崎は、レバークーゼンのセンターバックコンビ、トプラクとイェドバイの監視下に置かれ、セントラルMFベンダー、カストロからも挟み込まれ、前線で孤立した。14分、岡崎は相手ボールを奪って縦突破し、ファーサイドにクロスを入れてデ・ブラシスのシュートをお膳立てした。前半、岡崎が絡んだ数少ないチャンスメークは、このように単騎で攻め込んだものだった。
岡崎「今日は自分たちが悪かった」
「レバークーゼンは疲れているから、前でポゼッションするより、後ろでステイして、マインツの攻撃を防いでから速く攻めるというのを徹底していたと思う。マインツはそれにハマったと思います」
だが、後ろでステイしているように見えても、レバークーゼンは走行距離でマインツを凌駕していた。マインツが蹴ったロングボールのこぼれ球の奪い合いでも、レバークーゼンが勝ち続けていた。ようやくマインツにスペースが生まれ始めたのは、試合終了15分前になってから。岡崎にも味方からパスが通るようになり、77分にはPKをゲットし、ク・ジャチョルの追い上げ弾につなげる(ゴールは78分)。粘るマインツは91分にもPKを決め1点差までレバークーゼンを追い込んだが、わずかに及ばなかった。
マインツがプランとかけ離れた試合をし、自滅してしまったこともあって、岡崎は「もちろんレバークーゼンは強いけれど、今日なんかは全然強いと思わなかった。むしろ自分たちが今日は悪かったと思います」と振り返る。2月からマインツの指揮をとるマルティン・シュミット監督も「私が就任してから一番悪い試合内容だったと思う」と岡崎と似たような意見だった。
見かけ上は1点差の惜敗ということでカモフラージュされるかもしれないが、マインツのパフォーマンスはアベレージをはるかに下回っていた。そのことを彼らは自覚している。岡崎は「反省はしないといけないけれど、今日の試合はもう忘れた方がいい」と言う。
「これから残留争いのチームともやっていくので、あまり考えてもしょうがない」
12位マインツと16位パーダーボルンとの差はわずか勝ち点4。今後の日程は14位フライブルク、17位ハンブルガーSV、最下位シュツットガルトとの直接対決が3つもある。これからが残留争いの本番。チームも岡崎も、レバークーゼン戦の不出来を引きずってはいられない。
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