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赤星貴文と柴村直弥が海外挑戦で得たもの
異国で戦う男たちが語る日本との違い

海外へ行って変わったこと

海外へ行って成長したところとして、赤星(右)と柴村ともに試合のポイントが分かるようになったことを挙げた
海外へ行って成長したところとして、赤星(右)と柴村ともに試合のポイントが分かるようになったことを挙げた【提供:柴村直弥】

柴村 海外でプレーするようになって変わったことはありますか?


赤星 考え方が変わりましたよね。いろいろな国の選手たちとじかに接して感じることで。何かと比べたりすることに意味がないと思うし。海外に出てみて気付きました。


柴村 日本だとこうだからって思ってしまうことは自分の価値観にはめてしまっているだけで、それぞれの国にそれぞれの価値観があって、まずそれを知って相手の価値観を尊重して認めることが第一歩かなと僕も思います。チームメートに対しても、街の人に対しても。海外へ行って選手として成長したところはどういう部分ですか?


赤星 ミスが減りましたね。


柴村 ボールを失わないということですか?


赤星 それもありますし、前は自分がミスしてピンチになる場面とかも結構あったのですが、今はボールを失ったら危なくなる場面で失うことが少なくなりました。逆に若い選手たちがそういう失い方をしている姿とかを見て、自分も昔ああだったなって思うようになったのは成長した部分ですかね。


柴村 それは試合のポイントが分かるようになったということですか? 今どういうプレーを選択するべきかというところ。ここはリスクを冒すべきか冒さないべきかとか。例えばチームが負けている状態だったら、リスクはあるけれどギリギリのパスを通したり自分で仕掛けたほうがよかったり、逆に勝っている状態だったらより確実なプレーを選択したり。


赤星 まさにそうですね。


柴村 それは僕もすごく成長を感じている部分です。若いときは全然できなかった。自分の中ではある時期からかなり意識して取り組んでいて、日本でプレーしていた終わりごろは少し成長の兆しがあったのですが、海外に出てその部分は飛躍的に成長したなと。助っ人である外国籍選手として責任が大きいというのも成長した要因だと思います。


赤星 僕も良い意味で大人になったと思います。状況や次の展開が前よりも分かるようになってきたし、余裕を持ってプレーできている。


柴村 ただ、だいぶ分かるようになってきても、当然思うようにいかないときもある。そういうときに一瞬の判断に意識を集中させてどういうプレーを選択するか。そこを突き詰めていくことに面白さを感じますね。


赤星 それは確かにそうですね。


柴村 まだまだ自分の中でここは伸びるなという部分はありますか?


赤星 キックの精度は継続してまだまだ伸びると感じています。あとは状況判断や周りを見る力だったりは、環境が変わればプレッシャーやチームのスタイルも変わるし、継続的に伸びていくのかなと。


柴村 キャパシティーは広がりますよね。今まで対応したことのない局面に遭遇したときにどういうプレーを選択するかという部分は海外のいろいろな場所でプレーして、いろいろなチームと対戦して、日本にいたとき以上に成長を感じています。まだまだ成長の余地があるなと自分も感じています。

プロを目指す子どもたちへ伝えたいこと

柴村 プロを目指す子どもたちへ伝えたいことがあるとすれば何ですか?


赤星 自分たちが子どものころは動画サイトもなかったし、よく試合を見に行って研究していました。今は映像でたくさん見られるようになって、それはもちろん良いことなんですけれど、リアルで見る試合はやっぱり少し違うと思うので、たくさん生で試合を見に行ってほしいですね。


柴村 僕は勉強をしっかりやってほしいなと思っています。それがサッカーが上達することにつながるということ。僕がそうだったんです。今自分に何が足りなくて、上達するにはどんな練習をどうやって行えばいいのか。そんなことをいつも考えて自分で練習していたんです。それは学校の勉強をしっかりやってきたことが通じてきたと実感している。もともと特別サッカーが上手だったわけではなくて、中学生のときもレギュラーではなかったし、スポーツ推薦ももらえなくて一般入試で高校に入って……。


 自分が他の人よりも成長してこれたのはそこが一番大きいと思うんですよね。勉強とサッカーがつながってきた。さまざまな角度や手法で自分で考えながら練習してきたことで成長してこられた実感が自分の中ではあるんです。なので今まさに学校に行っている子どもたちには、半信半疑かもしれないけれど、しっかり勉強をしてみてほしいと思います。決してサッカーと関係ないことではなく、それがきっとつながってくると思うし、自分次第でつなげていけると思います。勉強とサッカーの両立というより、どちらもつながっていると感じてもらえたらいいなと思います。


赤星 本当にそうで、全部つながってきますよね。一見関係ないようなことでも。


柴村 そうですよね。何事も一生懸命取り組んでいくことが、サッカーが上達することにもつながると思います。


赤星 人として成長していくことで必然的にサッカーも上達していきますよね。あとはやはり、月並みですが「自分の努力なくしては何もつかめない」ということを常日頃から肝に命じて頑張ってほしいですね。

柴村直弥
1982年生まれ。広島市出身のDF。広島皆実高から中央大へ。卒業後はアルビレックス新潟シンガポールでプレーし、Jリーグではアビスパ福岡でプレーした後、徳島ヴォルティスでは主将を務め、ガイナーレ鳥取、藤枝MYFCでも活躍し、2011年ラトビアの強豪FKべンツピルスへ移籍。同年のUEFAヨーロッパリーグでは2回戦、3回戦の全4試合にフル出場した。日本人初となるラトビアリーグ及びラトビアカップ優勝を成し遂げ、国内2冠を達成。翌年のUEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得に大きく貢献した。国内リーグ最多優勝並びにアジアで唯一AFCチャンピオンズリーグ(ACL)全大会に出場しているウズベキスタンの名門パフタコールへ移籍し、ACLにも出場。熱烈オファーを受け、同リーグのFKブハラへ移籍。同チームでも主力として活躍し、2シーズンに渡り公式戦全試合に出場。14−15シーズンからはポーランドのOKSストミール・オルシティンでプレー

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