逸材ひしめき合うライト級で王座交代劇 新王者ロスマレン誕生の「グローリー18」

遠藤文康

CEO交代のグローリーが5カ月ぶり開催

王者キリアを判定で下して第2代ライト級王者となったロスマレン 【Glory Sports】

 6月のロサンゼルス大会からほぼ5カ月ぶりの開催となったグローリーが現地時間9日、アメリカ・オクラホマシティで行われた。本来8月に予定されていたシカゴ大会が消滅し、唐突にCEO交代人事もあったグローリーの内部情勢がどうなっているのかは定かではないが今後の動きには注目しておきたい。

 今回の目玉はライト級タイトルマッチ。この層には王者デビッド・キリアを始めとしてトーナメント覇者のアンディ・リスティ、孤高の王者ジョルジオ・ペトロシアンそして最年少のロビン・ファン・ロスマレンの4人が上位を占め、他にも逸材がひしめき合っている。

王者キリアがロスマレンの勢いを止められず

3Rにダウンを奪われたロスマレン(右)だが、それ以外は試合の主導権を握っていた 【Glory Sports】

 ちょうど1年前のニューヨーク大会トーナメントではリスティがペトロシアンとロスマレンをKOで葬る圧倒的強さを見せて優勝を遂げたものの、ことし3月クロアチアでのリスティvs.キリアによるライト級王者認定戦でリスティは5R戦のスタミナ不足を露呈。序盤はダウン含みでキリアを圧倒したものの、中盤からは逆にキリアに押され、最後は逆転KO負けという波乱が起きた。そのキリアが今回初防衛戦を同スタイルのロスマレンと行った。

 結論としては試合の流れを終始ロスマレンに作られ、主導権を握ることのできないキリア。3Rには左フックによる偶発的ダウンを奪ったものの、試合の流れを変えるまでには至らずロスマレンの勢いを止めることができなかった。まるで三日天下のようにしてキリアは王座を陥落した。今後はロスマレンが防衛するわけだが、その相手はタイプとして苦手とする野獣リスティであり技巧者ペトロシアンである。毎回王座交代が起こる可能性が大のライト級である。

 また、ライトヘビー級王者グーカン・サキへの挑戦者を決める4名トーナメントではブラジルからのサウロ・カバラリが優勝した。次回大会は12月19日に再びアメリカ。ここではヘビー級王座リコ・フェルフーフェンにエロル・シンメルマンが挑戦してのタイトルマッチが行われる。グローリーはアメリカを本拠地として定着する模様だ。

次ページに「グローリー18」オクラホマシティ大会の試合結果・戦評

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