コスタリカが“死の組”を突破できた訳 スタイルを貫き、新たな歴史を築けるか?
懸念の残る選手層の薄さ
ここに一つの懸念がある。確かにウレーニャの突破は疲れが見え始めた相手には効果的で、ウルグアイ戦では投入された直後に見事なダメ押しゴールを奪ってみせたが、果たしてリードを奪われた状況で投入されたり、3トップに不測の事態が生じて先発した場合に、ルイスやキャンベル、ボラーニョスと同程度の存在感を発揮することはできるだろうか。
集中力の持続や連動した守備といった要素は、慢心さえしなければ決勝トーナメントでも再現できるはずだし、対戦相手を大いに苦しめるだろう。しかしリードを奪われて終盤に突入した場合、選手交代で流れを変えるのは、現状では厳しいと言わざるを得ない。24日(現地時間)のイングランド戦は消化試合となったため、メンバーを大幅に入れ替え、サブ組のコンディションやパフォーマンスを見極めることができる。ここで新たな“戦力”を発掘しておきたいところだ。
決勝Tでも同じ戦いを貫くべき
「われわれはもっともっと高い場所を目指している。ロッカールームで、私は選手たちに冷静さを保つよう求めた。喜ぶのはまだ早い。今いる場所より先に進みたい。決勝トーナメント1回戦の相手はコートジボワールか日本、コロンビアになるだろうが、勝利できると実感している。このチームはすでに、非常にハイレベルで歴史的な試合を2度も演じてみせたのだからね」。イタリア戦後、ホルヘ・ルイス・ピント監督はそのように語った。
就任以降、守備的な戦術が国民の反感を買い、イタリア戦の前にはジョゼ・モウリーニョから「イタリアが間違いなく勝ち点3を獲得する」と言われるなど、逆境続きだった指揮官は、自らの信念でそれらを跳ね返した。
彼の言葉に異論を唱える者は、もはやいないだろう。