佐々木監督「優勝する強い想いが重要」 アジアカップ なでしこメンバー発表会見

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アジアカップに臨む23名のメンバーを発表する佐々木監督(右)と上田女子委員長 【スポーツナビ】

 日本サッカー協会(JFA)は2日、都内で会見を開き、14日に開幕する女子アジアカップに臨む日本女子代表(なでしこジャパン)のメンバー23名を発表した。

 主力の澤穂希(INAC神戸)、宮間あや(岡山湯郷Belle)らが順当に選ばれた一方で、20歳の猶本光(浦和レッズレディース)ら4選手が初選出された。また海外組は所属クラブとの兼ね合いで川澄奈穂美(シアトル・レインFC/米国)、大儀見優季(チェルシー/イングランド)ら4人の招集にとどまった。

 この大会は2015年にカナダで行われる女子ワールドカップ(W杯)のアジア予選を兼ねており、上位5カ国に入れば出場権を獲得できる。

 佐々木則夫監督は「経験(を積む)というよりも、勝ち抜くということを前提に考えている。(初選出の選手には)期待をかなりこめた選出です」と、大会への抱負を語った。なでしこジャパンは8日にニュージーランドとの国際親善試合を戦ったあとに現地入りし、オーストラリア(14日)、ベトナム(16日)、ヨルダン(18日)とグループリーグで対戦する。

AFC女子アジアカップに臨む日本女子メンバー(23名)

GK:
1 福元美穂(岡山湯郷Belle)
18 海堀あゆみ(INAC神戸レオネッサ)
21 山根恵里奈(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

DF:
5 上尾野辺めぐみ(アルビレックス新潟レディース)
3 岩清水梓(日テレ・ベレーザ)
2 有吉佐織(日テレ・ベレーザ)
19 宇津木瑠美(モンペリエHSC/フランス)
4 長船加奈(ベガルタ仙台レディース)
23 高畑志帆(浦和レッズレディース) ★
22 乗松瑠華(浦和レッズレディース) ★

MF:
10 澤穂希(INAC神戸レオネッサ)
8 宮間あや(岡山湯郷Belle)
9 川澄奈穂美(シアトル・レインFC/米国)
6 阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)
20 川村優理(ベガルタ仙台レディース)
14 木龍七瀬(スカイブルーFC/米国)
12 中島依美(INAC神戸レオネッサ)
16 猶本光(浦和レッズレディース) ★

FW:
7 丸山桂里奈(スペランツァFC大阪高槻)
17 大儀見優季(チェルシーレディースFC/イングランド)
15 菅澤優衣香(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
13 高瀬愛実(INAC神戸レオネッサ)
11 吉良知夏(浦和レッズレディース) ★

★は初選出

海外組の何名かを招集できなかった理由

メンバー発表を前に、海外組の招集について上田女子委員長より説明がなされた 【スポーツナビ】

登壇者:
上田栄治(日本サッカー協会 女子委員長)

 メンバー発表に先立って、今回のメンバー構成についてご説明したいと思います。アジアカップはFIFA(国際サッカー連盟)のIMD(インターナショナルマッチデー)に設定されなかったために、海外のクラブは選手をリリースする義務がなく、なでしこジャパンに一部(の選手が)招集できなくなりました。JFAとしてはぎりぎりまで粘って各クラブと交渉しましたが、特にリーグ戦の佳境を迎える欧州のほとんどのクラブからは了解を得られなかったために、6名の選手を招集できないことになりました。その結果、6名を除いた招集可能な選手でメンバーを構成し、アジアカップに臨むことになりました。
 JFAとしては、(アジアカップが)IMDになっていないことを認識した12年の11月から、継続的にFIFAやAFC(アジアサッカー連盟)に対して指摘をしてきました。しかし結果としてIMDに入れられなかったことを非常に残念に思っています。このような状況になったのは、アジアカップ開催決定(の時期)が遅かったことがひとつの要因になったと思います。その経緯を時系列でご説明します。

 まずFIFAのIMD決定は12年の11月でした。その時、アジアカップのホスト立候補国は、5月または11月に開催したいとするオーストラリア、そして5月に開催を希望していたベトナムの2カ国でした。ただ、時期が流動的であったため、IMDに加えるのは困難だっただろうと思われます。13年4月にオーストラリアが立候補を取り下げました。そして5月にベトナムがアジアカップ予選を突破して、アジアカップの開催国と開催時期が決定しました。

 その後、AFCからFIFAにIMDに加えるよう要請されたとされていますが、加えられることはありませんでした。その後、JFAも何度も問い合わせをさせていただきましたが、14年2月にFIFAから「IMDに加えるのは困難。直接、各クラブと交渉するように」との返答がありました。よって、海外クラブとレターなどでやりとりしながら、この4月に直接交渉する必要性を感じ、またチーム編成の意味でも時間切れという判断から、欧州のクラブへJFAの代表チーム部の部長が直談判に向かいました。

 欧州のクラブは状況に理解を示してくれましたが、各クラブの状況、優勝争いであったり、残留争いなど選手のリリースには条件によっては可能性を残しつつも難色を示してきました。帰国後も各クラブと交渉を続けると同時に、FIFA、AFCとも調整を続けてきました。その中で欧州の選手が、大会途中から大会参加できる可能性を残すために、アジアカップの登録選手数を23名から25名にするように、という交渉もしています。ただ、その結論はまだ出ていません。

 しかし5月5日からキャンプが始まる。そしてチーム編成をする上で今日がタイムリミットということで、6名の選手が招集できない中でメンバーを決めました。そんな中で4名の選手を招集することができました。その4名は、川澄、大儀見、宇津木、木龍。大儀見はグループリーグ3試合の限定ではありますが、ほかはアジアカップの全日程ということになります。これを招集できたのはよかったと思いますし、了承してくれたクラブには感謝したいと思います。

 当初、なでしこジャパンのメンバー発表は4月24日を予定していました。このような状況となって、ぎりぎりまで海外クラブやAFC、FIFAと交渉・調整をしてきたため、今日の記者会見となりました。発表が遅くなり、なでしこリーグや選手が所属する各クラブ、選手、そしてメディアの皆さん、多くのサポーターの皆さんには大変ご迷惑をおかけすることになりました。本当に申し訳ありません。

 アジアカップは「アジア最高峰の大会」ということで、W杯の予選でもあり、このような大会がIMDに加えられないのは、あってはならないことだと思います。今後、このようなことが起こらないように、AFC側に働きかけていきたいと思います。

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