姉&弟のアイスダンス日本代表、リード組
ケガ乗り越え、五輪へ「100%集中!」
アイスダンス日本代表リード姉弟組。笑顔の耐えない二人は、インタビューでも息ぴったり!?
アイスダンス日本代表リード姉弟組。笑顔の耐えない二人は、インタビューでも息ぴったり!?【坂本清】

 氷上を華麗に舞うフィギュアスケートのカップル種目、アイスダンス。2月のソチ五輪に臨む日本代表が、キャシー・リードとクリス・リード(ともに木下クラブ)の姉弟だ。日本人の母と、米国人の父の間に生まれ、米国で育った二人。それぞれの恋あり、ケンカあり――姉弟でトライしたアイスダンスとの出合い、魅力、五輪予選前のアクシデントとは。

 日本語をしっかり理解している二人は、基本的に日本語で、少し入り組んだ内容の時には英語を交えながら、和やかにインタビューに応えてくれた。

クリスのケガ…「強い気持ちで」手に入れた五輪切符

姉のキャシー。五輪へ向けて「本当に強い気持ちでいる」
姉のキャシー。五輪へ向けて「本当に強い気持ちでいる」【スポーツナビ】

 2大会連続の五輪出場を決めたリード姉弟組。しかしその4カ月前の昨年8月、出場枠を懸けた最終予選の1カ月前という時にピンチが訪れた。弟クリスの右膝に故障が見つかり、古傷の右膝半月板に切れ目が入ったと診断されたのだ。手術をせずに、痛みをコントロールすることで、大切な時期に短い時間しか練習のできない日々。けがの全貌はクリス選手と母親、そしてコーチしか知らない。しかも半月板以上に、同時に抱えていた骨挫傷の痛みも大きかった。最終予選のネーベルホルン杯でも膝の状態は非常に悪く、周囲の関係者たちは「本当に辛かった」という。


―――ソチ五輪は2度目の五輪になります。4年前のバンクーバー五輪と今回のソチ五輪には、どういった違いを感じますか?


キャシー「はい、2つとも全然違います。バンクーバーは初めての五輪。私たちは若くて、(五輪出場という)経験に感動しすぎ、楽しむことに精いっぱいでした。でもソチは、自分たちで枠を手に入れたという感覚が強いです。本当に強い気持ちでいるし、100パーセント集中しています。バンクーバーの時より(演技も人間としても)成熟してきていますし。

 クリスの膝が悪いのは分かっていましたけど、私はポジティブでいようと心掛けました。(ネーベルホルン杯の)フリーダンスのサーキュラーステップが終わったところで、クリスが『痛い、痛い』って言ったんです。私は(演技をしながら)『クリス、がんば、がんば、できるよ、できるよ』って言って。

(そうした状況で五輪枠を手にしたので)フリーダンスのあとは嬉しくて泣きましたね。バンクーバー前の世界選手権で枠を取ったときには全然泣かなかったのに」


クリス「ネーベルホルン杯は、本当に緊張した難しい試合でした。(絶対に枠を取らなくてはという)プレッシャーも大きかったです。キャシーにはいつもなんでも話していますが、あのときは本当のことは言えなかった。(動揺させないように、実際の状態よりも軽い故障だと伝えるのは)難しくもありました。(大会を終えて)僕も、母たちもみんな一緒に泣きました」


―――その後、膝の具合はどうですか?


クリス「大丈夫です。少しだけ痛いですが、以前よりも痛みとどう付き合っていけばいいか、分かるようになってきました」

五輪切符を決めたネーベルホルン杯。膝の痛みに、思わずうずくまるクリス(右)といたわるキャシー
五輪切符を決めたネーベルホルン杯。膝の痛みに、思わずうずくまるクリス(右)といたわるキャシー【写真は共同】

―――五輪でも滑る、今シーズンのプログラムについて聞かせてください。


クリス「(昨年4月の)国別対抗戦のとき、無良(崇人)くんのフリーを見て、良いなって思ったんだよね」


キャシー「そう。それで、その曲をインターネットで探しました。それが、フリーダンスの『Shogun』です。クリスが将軍になっていくストーリーで、プログラムの最初はまだ将軍ではないんだけど、将軍になる過程で、私たちがお互いに助け合うんです」


クリス「キャシーは、お姫様」


キャシー「そう、お姫様。将軍の奥さんかな、友達かな。彼はたくさんの戦いの中でけがをするんです。それがスローパート部分。私がけがの手当てをして、元気になった彼はもう1回戦って、そして将軍になる」


クリス「で、終わりー!(笑)」


キャシー「ショートダンスは、五輪シーズンだから、自分たちが好きでみんなも知っている曲がいいなと思って、私たちに合っていると感じた『踊るリッツの夜(Puttin’ On the Ritz)』に決めました。この曲にはたくさんのバージョンがあるんですが、歌手の歌声の入ったものにしました。彼の声、すごく好きです。それにプログラムの途中に、歌なしの曲『ハーレム・ノクターン』を入れることで、歌詞があるパート、ないパート、もう一度歌詞があるパート、っていう良いバランスになっています」

長谷川仁美

静岡市生まれ。大学卒業後、NHKディレクター、編集プロダクションのコピーライターを経て、ライターに。2002年からフィギュアスケートの取材を始める。フィギュアスケート観戦は、伊藤みどりさんのフリーの演技に感激した1992年アルベールビル五輪から。男女シングルだけでなくペアやアイスダンスも国内外選手問わず広く取材。国内の小さな大会観戦もかなり好き。自分でもスケートを、と何度かトライしては挫折を繰り返している。『フィギュアスケートLife』などに寄稿。

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