川崎の選手たちが送る高校生へのエール=貴重な経験とその過程を大切に
11日に準決勝が開催される全国高校サッカー選手権。同大会に出場経験がある大久保ら川崎の選手たちに当時の話を聞いた 【写真は共同】
運も味方した大会得点王・大久保
大久保が優勝を果たしたのは、3年時に出場した第79回大会。大会を通じて8得点を挙げた大久保は大会得点王を獲得するが、その過程には幸運も必要だったらしい。「6−0で勝った日章学園(宮崎)の試合の時に39度以上の熱があって、自分では欠場させてもらうつもりでした。でも(当時の小嶺忠敏総監督から)『最後だから出ろ』と言われ、出たら4点決めることができました。得点王になれたのはそういうことがあったからかもしれないです」
体調の悪さをモノともしない大量ゴールもあり、大久保は大会得点王の栄誉を手にすることとなった。ただし、8点という記録については「少ないですね」と、いたずらっぽい笑みを浮かべていた。
「成功も失敗も、絶対に生きてくる」
中澤と同様に「高校生活のすべてを懸けていた」と話す中村憲剛は、選手権を目指す過程の大事さを口にする。「出場を目指すこと自体が高校生にとってプラスになる。みんなで頑張ることだったり、最後までやることも大事。無駄は何もなかったですね」と言葉を続ける。中村の場合、都立久留米に在学していた3年間で選手権出場の夢は叶わなかった。ただ、「それでも代表まで行ける。だから頑張ることが大事だと思います」と語気を強めた。選手権を目指して日々努力する、その『過程の大事さ』は、話を聞かせてもらった選手の一貫した主張だった。