今度は連打の番? 内山のKO防衛なるか!?

長谷川亮

8度目の防衛戦に順調な仕上がり

日焼けして鋭さを増したWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志 【スポーツナビ】

 12月31日、金子大樹(横浜光)と8度目の防衛戦(東京・大田区総合体育館)に臨むWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志が24日、所属する都内・ワタナベジムで公開練習を行った。

 日焼けして鋭さを感じさせる姿で現れた内山は、記者からの質問に答える間も適度に水分補給を行うなど、ウェイトコントロールを含め調整が上手く進んでいる様子。「十分練習を積んだので、純粋に金子選手とやるのが楽しみ」と言い、練習に関しても「特にフィジカルを強化してやってきて、ここ最近では一番追い込んでやったと思う」と話し、決戦を1週間後に控えながら既に仕上がっているかの印象を与えた。

 金子に対しては「好戦的で全体的に平均以上のものを持っている。若さもパンチもあっていい選手だと思う」とコメント。「タイプ的には似ているので、中間距離の打ち合いになればどちらか当たれば必ず倒れる、ヒリヒリする打ち合いになるのでは」と語り、しかし試合については「もちろん」と自らの勝利に自信を見せた。

渡辺会長はKO予告「見逃さないように」

大みそかの防衛戦まで1週間。順調な仕上がりを見せる内山 【スポーツナビ】

 ワタナベジム・渡辺均会長は「内山のKOはワンパンチと連打が交互に来ている。金子選手は背が大きくて内山にはやりやすいタイプ。今回は順番的に連打でKOする番なので見逃さないようしてほしい」と、KOでのV8に期待を掛ける。
 しかし内山は「いつも通りやって、判定でも勝てれば問題ないので」と話し、KOはいつも狙っているものではないという。テレビ放送用のアピールを求められても、「必ず勝ちます」「V8達成します」と、自ら「KO」を発することはなく、「いつも通り」という調子同様、メンタルの持って行き方も「いつも通り」を貫いた。

日本で1番強い王者とやって実力を示したい

「やっぱり日本人最強でいたい」と日本人対決に緊張感 【スポーツナビ】

 報道陣に公開された練習ではシャドーボクシング3Rにスパーリング2R、ミット打ち2Rを披露。普段から節制で知られる王者だが、細かく連打をまとめ右の強打で仕留めるシャドーで体を動かすと、早くも練習開始3Rで汗がマットに滴り落ちる。減量のため室温を高くしたり厚着をするボクサーも見られるが、内山はTシャツだけの薄着で、ジムスタッフに窓を開けるよう頼むなど、ここでも順調な調整ぶりをうかがわせた。

 2Rを行ったスパーでは佐々木修平トレーナーが「基本を繰り返して軌道がよくなった」という右ストレートを顔とボディーに打ち分けたびたびヒット。また左のリードも相手の前進をストップ、打ってきたところへのカウンター、打ち返しのリターンとこちらも強弱・軌道を変えて使い分け、充実ぶりを見せていた。
 ミット打ちでは何のパンチを打ったか判別できないほど高速で連打を回転させ、得意パンチの1つである左ボディーではプロテクターの上からでも佐々木トレーナーを悶絶させた。

「(金子は)日本チャンピオンの中でも1番強いチャンピオンだと思っていて、そういう選手とやって自分の実力を示したい」
「やっぱり日本人最強でいたい気持ちはあるので緊張感は高まります」

 受け答えでは終始王者らしい落ち着いた振る舞いを貫きながら、金子に対し最強の実力、違いを見せるとプライドを隠さなかった内山。ノックアウトダイナマイトが2013年最後にも爆発となるのか。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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