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カレンが語る、タイ挑戦の経緯と未来
活躍の自信とイングランドへの憧れを胸に
タイ、スパンブリーFCへの移籍が決定したカレン(写真はVVV時代のもの)
タイ、スパンブリーFCへの移籍が決定したカレン(写真はVVV時代のもの)【Getty Images】

 近年、急激な盛り上がりを見せ注目を集めるタイ・プレミアリーグ。そこに来シーズンから、新たに注目の日本人選手がプレーすることとなった。高校時代は市立船橋高のエースとして国立競技場を沸かせ、ジュビロ磐田時代の2005年にはJリーグ新人王を受賞するなど、日本での実績を持つカレン・ロバートだ。


 2013年シーズンのタイ・プレミアリーグも終盤を迎えていた9月下旬、カレンのスパンブリーFC加入が発表された。今シーズンはすでに登録の関係で試合に出場できないにも関わらず、2年3カ月契約という変則的な形での加入であり、加えて、同リーグとしては破格ともいえる年俸4000万円+出来高という契約内容が一部で報道され話題となった。


 今シーズンは横浜F・マリノスとの業務提携を締結し、リーグでも昇格組ながら4位(第31節終了時点暫定)と健闘を見せているスパンブリーFC。資金力も潤沢で今後の飛躍が期待される同クラブへの高待遇なカレンの加入は、タイリーグがまた新たなステージに入ろうとしていることの象徴のようにも思える。


 VVVフェンロ(オランダ)を退団後、カレンはどのような経緯でタイリーグ移籍を決めたのか。バンコクから北へ約100キロに位置するスパンブリー県を訪ね、移籍の真相について本人に語ってもらった。

イングランドへの憧れも移籍叶わず 知人を介しタイへ

――VVVフェンロを退団してから、スパンブリーFCへ入団するまでの経緯を教えてください


 イングランドでプレーしたいという気持ちがとにかく強かったので、まずは7月いっぱいくらいまではイングランドに絞って移籍先を探していました。代理人も現地の人に頼みたかったので、オランダ人の方にお願いしてチームを探していたんですが、結果的にはうまくいきませんでした。


――イングランドでプレーしたいという思いはいつ頃から持っていたのでしょうか?


 もともとあったんですが、オランダリーグでの最初のシーズンに、プレーオフで点を決めてちょっと活躍したんです。その時に「○○がカレン・ロバートに興味」というような報道があって、そういうことは日本でプレーしていた時にはありえないことだったので、「結果を出せば見てくれているんだ」というのを感じて、その思いがより強くなりました。


 VVVの契約が終わる半年前、冬の時点でもイングランド・チャンピオンシップ(実質2部相当)のチームから「興味がある」という話をもらっていたりもしたので、もしかしたら練習参加できるんじゃないかという思いがあったんですが、うまくいかなかったですね。


――そんな中で、タイへの移籍話が浮上してきた?


 いえ、タイの話はその時点ではまだなかったですね。タイの話はもう本当に、9月になってからのことです。ヨーロッパのほとんどのリーグは開幕していましたし、このままチームがないのはまずいということで、8月からはイングランド以外も視野に入れて探していました。正直、日本でもいくつかのクラブにコンタクトを取ってもらっていたんですが、具体的な話にはなりませんでした。


 8月の下旬には香港のクラブから具体的な話があったんですが、とにかくマーケットが閉まるまではヨーロッパを優先的に待ちたかったので、一週間ほど待ってもらったらそちらの話もなくなっていました。あと三カ月待って冬の移籍、というのもちょっと考えたんですが、家族もいますし……。その段階で、タイが盛り上がっているというのは聞いていたので、知人を通してタイに話を振ってもらったところ、2日くらいであっという間にチームが決まりました。

「僕のキャリアの中では最高の条件」

――すんなり、スパンブリーFCとの契約に至った?


 全チームに話をしてもらって、真っ先にスパンブリーFCが興味を示してくれたようです。正直、ヨーロッパを離れたくないという思いはあったんですが、昨シーズンの成績などを改めて考えてみても、もう一回やり直そうというか、しっかり試合に出て点を決めることが大事だと。スパンブリーFCはリーグ上位ですし、点を決めるチャンスも多いのかなと思って、それほど迷いは深くありませんでした。


――一部で報道されている契約条件(2年3カ月契約、年俸4000万円+出来高)が話題になっていますが、条件的にも納得のいくものだった?


 そうですね、好条件だと思います。タイリーグの相場というのは分かりませんが、僕のキャリアの中では最高の条件です。


――契約期間に関しても、今シーズン終了間際からの2年3カ月間。今シーズンは登録の関係で試合には出場できない状況でチーム合流という変則的なものですが、これはカレン選手が希望した形だったのでしょうか?


 いえ、最初からこの形での契約を提示されました。あと一カ月でオフに入ってしまって今シーズンは試合に出られないけど、来シーズンのために入ってほしいということで。


 チームでサッカーをしていない時期が三カ月も続いていたので、正直言ってコンディションは非常に悪かったんです。今思えば、練習に参加していても厳しかったかもしれません。コンディションが悪いのにヘタに調子の悪い自分を見せても、というのもありますし、結果的には自分にとってもこの契約の形は良かったんじゃないかと。一カ月チームでやって、そのあと休んでリフレッシュしてコンディションを戻せればと思っています。

本多辰成

1979年生まれ。静岡県浜松市出身。出版社勤務を経て、2011年に独立。2017年までの6年間はバンコクを拠点に取材活動を行っていた。その後、日本に拠点を移してライター・編集者として活動、現在もタイを中心とするアジアでの取材活動を続けている。タイサッカー専門のウェブマガジン「フットボールタイランド」を配信中。

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