カレンが語る、タイ挑戦の経緯と未来=活躍の自信とイングランドへの憧れを胸に

本多辰成

「ファンも多くてホームの雰囲気はいい」

スパンブリーFCについてカレンは「ホームの雰囲気はいい」と語った 【本多辰成】

――チームに合流して間もないですが、チームや街の印象はどうですか?

 まずは、久しぶりにチームでの練習で、パスができる人がたくさんいるのが今は楽しいです。街の印象は、バンコクとはもちろん違いますけど必要最低限のものはだいたいありますし、日本食も食べられるので問題はないですね。試合がないので、今はとにかく太らないように、という感じでコンディションに気をつけています。

――タイリーグの試合は何試合くらい見ましたか? レベルなど、リーグの印象はどうでしょう?

 スタジアムで2試合とテレビで1試合、スパンブリーFCの試合を3試合見ました。ほかのスタジアムはあまり見ていないので比べられないですけど、ファンも多くてホームの雰囲気はいいですね。

 レベルに関しては、最初の30分はレベルが高いと思います。体力的な問題なのか、戦術がしっかりしていないのか、徐々に間延びしてきて最後のほうはラインが2つになってしまうという印象を受けました。

時間にルーズな気質も平気!?「自分は海外向き」

――時間にルーズな面など、タイ特有の気質に最初はいら立つ日本人選手もいるようですが、その辺りはどうですか?

 ルーズだなというのはかなり感じますね。練習の開始も時間通りではないですし、ミーティングなんかでも、だらっと見ているだけで「聞いてるのかよ」と思うような感じです。ただ、練習なんかは真剣にやっていますし、今のところイラっとするようなことはありません。レベルも思ったよりも低くないので、悪い印象はないですね。

 ミーティングに関してはしっかりやってほしいですけど、時間に関してはあまりキチキチしていないほうが自分には合っていると思いますし。オランダもけっこう、のほほんとした感じがあって、日本のようには堅くありませんでしたから。2部練習などもあまりないので、足りないと思ったら自分でできるし、やりすぎかなと思えば緩められる。自分なりに調整できるので、自分にとってはそのほうがやりやすかったんです。

――そういう意味では、タイリーグも合っているかもしれませんね

 自分は海外向きだとは思います。日本では練習だけで疲れてしまって自分なりの調整がしにくかったですし、居残り練習をやればエラい、みたいな風潮にも正直言って疑問を持っていたので。日本はあまりにもやることが多くて、考えることが多くて、自分には合っていないのかなと。オランダはそれぞれのポジションで役割がはっきりしていましたし、やっていて日本よりも楽しかったです。

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著者プロフィール

1979年生まれ。静岡県浜松市出身。出版社勤務を経て、2011年に独立。2017年までの6年間はバンコクを拠点に取材活動を行っていた。その後、日本に拠点を移してライター・編集者として活動、現在もタイを中心とするアジアでの取材活動を続けている。タイサッカー専門のウェブマガジン「フットボールタイランド」を配信中。

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