足元を見つめなおした日本代表=グアテマラ戦をどう評価すべきか
なぜグアテマラだったのか?
日本のスタメンを見て分かるのは、「お試し+試合勘を取り戻す」という2つの意図があることだった 【写真:アフロスポーツ】
グアテマラ戦が行われる6日、そしてガーナ戦が行われる10日は、言うまでもなくFIFAが定めた国際Aマッチデーである。世界最速で予選突破を果たした日本にとって、すでにW杯予選は美しい過去の思い出でしかないが、他の大陸予選はこれからがまさに佳境。アジアでも大陸間プレーオフ進出を懸けて、ヨルダンとウズベキスタンがしのぎを削ることになっている。年内の国際Aマッチデーは残り6つ。日本としては、できるだけ強い相手と手合わせしたいところだが、各大陸の強豪は今はそれどころではない。もちろん、組み合わせの関係で予選が1試合ないチームもあるにはあるが、この大事な時期にたった1試合のためにファーイーストまで遠征するのは、あまりにもリスクがある(ガーナはすべての予選を終えてからの来日)。となると、すでにW杯予選が終わってしまったチームの中から選ぶしかない。
グアテマラは3次予選で米国、ジャマイカ、アンティグア・バーブーダと同組となり、3勝1分け2敗の勝ち点10でジャマイカと並んだものの、2点の得失点差で涙を飲むこととなった。パラグアイ人のエベル・ウーゴ・ アルメイダ監督は解任され、今回チームを率いるのは暫定監督のセルヒオ・パルド。この人はチリ出身で、国内リーグのミクトランというクラブの兼任だという。「わたしは40年間グアテマラのサッカーに関わってきたので、この国のことはよく知っている。明日の試合では、将来的なグアテマラの強化を目指していい試合をしたい」とは当人の弁。今回は国内組のみのメンバー構成だが、日本としては相手との実力差はどうあれ、有意義な一戦としたいところである。
「お試し+試合勘を取り戻す」メンバー構成
GK西川周作。DFは右から酒井高徳、森重真人、吉田、長友佑都。中盤は守備的な位置に長谷部と遠藤保仁、右に岡崎慎司、左に清武弘嗣、中央に香川。そしてワントップに大迫勇也。メンバー表を見てすぐに理解できるのは、今回のメンバーは「お試し+試合勘を取り戻す」という2つの意図があることだ。前者は、吉田と初めてコンビを組む森重、そして初めてワントップでスタメン出場となる大迫、これにGKの西川を加えてもよいだろう。後者については、前述した3人がそのままピッチに並び立つこととなった。一方で本田圭佑をあえてベンチに置いたことについては、指揮官は「90分間やらせたくなかった」と語っており、このことからも2戦目のガーナ戦に照準を合わせているのは明らかである。
さて、「ディフェンスの再構築」に注目が集まる中、個人的に着目していたのが固定化されていた代表の序列の変化である。そのヒントになりそうなのが、試合前日に発表された「東アジア組」の背番号だ。森重が6、大迫が20、山口螢が13、青山敏弘が14、柿谷曜一朗が11、齋藤学が16、そして工藤壮人が18。山口、青山、工藤はウルグアイ戦と同じだが、森重(36→21→6)や柿谷(30→19→11)のように、東アジアカップから着実に数字を減らしている選手もいる。11はハーフナー・マイクの番号であり、6は内田篤人が2番を選択して空いた番号だ。もちろん、単なる暫定的な数字合わせかもしれないが、指揮官の密やかなメッセージを読み取ることも可能だろう。そしてこのグアテマラ戦は、東アジアカップから生き残った選手たちにとって貴重なアピールのチャンスであった。