鹿島内定・赤崎が考える大卒のメリット=元高校ナンバーワンFWが進学した理由

竹中 玲央奈 (CSPark)

プレーの選択を論理的に説明できるようになった

リーグ戦では現FC東京の渡邉千真が打ち立てた得点記録を更新し続けている 【(C)矢沢彰悟】

――大学で養えたことについて、専修大学の長澤和輝選手は“考える力”とおっしゃっていました。大学生活は時間もあるし、いろいろと思考する時間も増えたのかなと思います

 僕は、風間(八宏)さん(現川崎フロンターレ監督、元筑波大学監督)の影響もあるんですけど、1つひとつのプレーに対して、なぜこのプレーを選択したのかを論理的に説明できるようになりました。高校のときは感覚でプレーしていたし、それでできてしまうことが多かった。だから考える必要も説明をする必要もなかったんです。ただ、大学に入ったら、自分より能力が高いDFがいる。その中で、点を取るためにどうやって動けばいいかを論理的に考えなければいけなかった。風間さんに説明しなければいけないということもあったんですけど(笑)。そういうところは伸びたかなと思いますね。

――先日、来季から鹿島に加入することが決定しました。鹿島に決めた経緯や理由を教えてください

 鹿島のスカウトから最初に声をかけられたのが去年の天皇杯で、僕たちは1−7で負けました(編注:この試合で赤崎は筑波大唯一の得点を挙げた)。それだけではないと思うんですけど、その試合の後に声をかけていただきました。ただ、練習に参加してから決めたほうがいいというのをJに行った選手から聞いていたので、春のキャンプをはじめ、話があった全チームに練習参加をしました。そこでいろいろな人と話す中で、組織としてアントラーズが一番しっかりしているな、と感じたんです。そうしたことをJリーグが始まってからの20年間で証明し続けたクラブだと思いましたし、このチームなら「Jに入ってからも自分を成長させてくれるな」と感じました。実際に一流の選手たちが各ポジションにそろっていますし、そういう環境でサッカーをやりたいという思いが一番大きかったです。

その都度できることを一生懸命やってきた

――山村選手に話を聞いたりはしたのですか?

 聞きました。山村くんは今はなかなか出場できていないんですけど、その中でも“アントラーズがいい”と言ってくれた。彼がそう言うにはそれだけの理由があったと思うし、実際に僕もそう感じることができたんです。結局、アントラーズへの練習参加は1回だけで十分でした。

――鹿島のFWはダヴィ選手と大迫(勇也)選手がいますが、その2人に割って入るのは簡単ではないと思います

 実際に練習に参加する機会もある中で、ダヴィや大迫さんは一流の選手だし、リスペクトもしています。だけど、あの2人にない部分も僕は持っていると思うし、全然違うタイプのFWだとも思っています。もっともっと彼らから盗むべき技術は多いと思いますけど、違う部分で勝負していけるんじゃないかなとも思います。

――では最後に、今後のサッカー選手としてのキャリアプランなどがあれば、お聞きしたいです

 そうですね……これまでの20年ちょっとの人生を振り返ってみて「なんでこうなってきたか」ということを考えてみると、その都度できることを一生懸命やってきた結果だと思いますし、それが未来を切り開いてきた理由なのかなと思っています。筑波でやっているときは筑波のために一生懸命やるし、アントラーズでやるときはアントラーズで全力でやる。具体的なものはないのですけど、そういう姿勢を持ち続けて、日々取り組んでいきたいというのが、今の気持ちです。

<了>

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著者プロフィール

1989年生まれのロンドン世代。大学在学時に八反田康平(現・清水エスパルス)に魅せられ関東大学サッカーの取材を始める。以降、毎週関東大学リーグの現場に足を運ぶだけでなく、遠方の練習場まで赴き取材をこなす。2012年度からはサッカー専門誌・エルゴラッソの湘南ベルマーレ担当としても活躍中。

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