W杯出場のために必要な攻撃ルートの復活=新たな価値を創出した中村と香川の共演
W杯出場に“リーチ”がかかった日本
W杯出場がかかる大一番を前にスタジアムで調整を行う日本代表イレブン 【写真は共同】
日本は今、5度目のW杯出場に“リーチ”がかかった状態にある。26日のヨルダン戦で勝利すれば、14年ブラジルW杯への出場が決まる。また、日本対ヨルダンよりも早い時間帯に行われるオーストラリア対オマーンの結果次第では、引き分けでも最終予選突破となる。
戦いの地は、ヨルダンの首都・アンマン。過去同様、またしても遠い海の向こうでの決戦となった。今回の代表にもアウエーの環境を物ともせず、世界へのチケットを自力でつかみ取る選手たちの姿を、日本国民は待ち望んでいる。
地の利に自信をみなぎらせるヨルダン
練習会場は翌日の試合本番の会場でもあるキング・アブドゥラ・インターナショナル・スタジアム。以前からグラウンドの状態が悪いと言われていたが、案の定、所々におうとつが目立ち、芝も深く、日本のパスサッカーを展開するには不向きな環境だと言える。選手たちはこの試合に向けて「予選突破を決める試合で、内容の良いサッカーどうこうは言っていられないと思う」と口々に発しているが、このピッチ状態ではさらにその言葉が現実となることが予想される。
一方、ヨルダンは今予選、このスタジアムでオーストラリア代表に勝利し、先日は国際親善試合でベラルーシにも土をつけている。今回の日本戦でも同様にジャイアントキリングを狙いにきており、ビジターにとっては不慣れな環境である自らの庭で、今度は日本の足をすくおうと目を光らせている。
試合前日の記者会見で、ヨルダン代表のアドナン・ハマド監督は「日本はホームとアウエーで差があり、アウエーではオーストラリアとも引き分け、オマーンにも苦戦していた。明日はホームであるわれわれの方が有利だ」と強気なコメントを残した。これに続いてキャプテンのディーブも「このスタジアムで戦うと、幸運が多くある。イランとの試合(09年アジアカップ最終予選)にも勝った。このフィールドでやることをうれしく感じる」と、地の利をアピールした。
ただ、日本はこれまでの中東の戦いでは劣悪なピッチと酷暑の“二重苦”に悩まされることが多かったが、現在の中東は暑くなく、プレーをする上での支障にならない気候だ。それだけに、スタジアムの環境面にだけ気を配りさえすれば問題はないとも考えられる。あとは、冷静にファイトできれば相手との実力差は歴然でもあり、結果はおのずとついてくる。試合前にあえて強気な発言をする中東各国が得意とする心理戦を相手にしない落ち着きと余裕を携え、自分たちのプレーに集中したい。