“オレ竜語録”で振り返る今季の落合監督
――5試合連続完封勝利のプロ野球新記録については?
「何度も言うようだけど、すべては山井(大介)。山井がこの流れをつくった」
7投手の継投で延長11回を完封し、5試合連続完封勝利のプロ野球新記録を樹立。厳しい試合を制したが、落合監督はあくまで16日に完封勝利を収めた山井の働きを高く評価した。
■7月21日 ○5−4 vs.横浜
――6試合連続完封勝利はならず。
「予想通り。点数を取られるのは吉見だよ。アイツから始まってんだもん」
完封勝利の記録が始まる前の15日に6回5失点だった吉見が、この日も6回4失点と苦しみ、記録がストップした。左右の両エースであるチェンと吉見に対しては落合監督の厳しいコメントが目立った。
■8月7日 ○4−1 vs.阪神
――ブランコの登録抹消については?
「いいんじゃない? 痛い、かゆい言うヤツは使わない。オレの前で言ったヤツは、み〜んな使わない」
前日まで打率2割3分9厘と苦しんでいたブランコの登録を抹消。細かい理由は明かさなかったが、ブランコが故障を訴えたことを示唆して突き放した。
■8月8日 ○10−0 vs.阪神
「ヒーローインタビュー、4回やったら次はぶつけられるよ(小田幸平が「やりましたー!」と4回繰り返した)。ここで釘を刺しとく。いらぬ敵をつくるべきではない。相手も聞いてるだろうから。まぁ、昔の野球はな。絶対、やられるな。そういう時代だった」
お立ち台で小田が「やりましたー!」と繰り返したことを問題視。結果的に、この落合監督のコメントが報道されたことで、遺恨には発展しなかった。
■8月18日 ○3−1 vs.巨人
――山井が8回まで無安打無失点だった。06年の日本シリーズと比べると?
「あの時とは訳が違う。あの時はギブアップだった。今日はギブアップしていない。そのあとに行って抑えるやつが大したもんだ。みんな岩瀬を忘れてる。確かに先発が長いイニング投げてキツイのは分かるけど、最後にきちっと抑えてくれるんだから大したもんだ」
巨人をノーヒットに抑えていた山井が9回に坂本勇人に本塁打を浴びて失点し、岩瀬が後続を断った試合。未だに物議を醸す06年の山井と岩瀬による「完全試合リレー」については、あらためて山井が投げられる状態ではなかったことを説明し、どちらのケースでも試合を締めた岩瀬を称賛した。
最年長完封を達成し、笑顔を見せる中日・山本昌 【写真は共同】
――2回にマウンドに行って山本昌に何と伝えたか?
「行きたくなかったけどな。18歳のルーキーみたいなピッチングしやがって。あいつの絡まってる気合をほどきに行っただけ」
45歳の山本昌を立ち直らせて接戦を制した。マウンドで落合監督に語りかけられた山本昌は、「ハッと気づくようなことを言ってもらいました」と証言。今季は5勝を挙げ、優勝に貢献した。
■9月2日 ○6−0 vs.広島
――ネルソンが完封勝利を収めましたが
「これほど必死に投げてるピッチャーがいるか? 自分の生活をかけて野球やってるヤツが何人いる? ウチが一番求められてるのはあの姿じゃないか。それを見て何かを感じてくれないといかん。オレが指折り数えると数人しかいないよ」
ネルソンのハングリー精神を高く評価。必死さが足りない若手選手に対して「それが分かんなけりゃこの世界でやっていけねぇよ」と奮起を促した。
■10月1日 セ・リーグ優勝会見
――8ゲーム差を逆転しての優勝、どこで手応えを?
「これは7年間積み上げてきた練習量の差だと思います。今年のような暑い中でしたから(ほかのチームは)予想としてへばってくるだろうと。このスタイルはこれからも続けていかないといけないと思います」
球界一と言われる練習量でチームをつくり上げてきたことを、優勝の一番の要因に挙げた。「このスタイルはこれからも続けていく」という宣言は優勝の喜びに浸る選手にとっては厳しいものだったかも……。
■11月7日 ●7−8 vs.千葉ロッテ
――日本シリーズでの敗因は?
「セ・リーグでは勝てても、この舞台では勝てなかったということ。勝敗は誰のせいでもない。監督の責任。今シーズンはほめてやるべきだ。ただ、力でねじ伏せて勝ち上がっていくだけの強さはまだない」
千葉ロッテとの激闘の末、2勝4敗1分で日本一には手が届かなかった。選手の頑張りをたたえた落合監督は責任を背負い込んだ。
<了>