“オレ竜語録”で振り返る今季の落合監督

スポーツナビ
 今季の中日はセ・リーグを制し、日本シリーズでは千葉ロッテと激闘を繰り広げた。チームを率いたのは独特の存在感で球界を盛り上げた落合博満監督。試合後に語られる“オレ竜語録”を検証し、今季の中日と落合監督の戦いを振り返る。
■3月27日 ○7−0 vs.広島

――新人が結果を出しました
「使ってりゃいつかは出るだろう。打たなきゃ上にいないんだから。みんな競争してくれ」

 開幕2戦目で新人の大島洋平、松井佑介がそれぞれプロ初ヒットを放ったが、クールな受け答え。「みんな競争してくれ」の言葉通り、今季は支配下登録された野手34人のうち30人が1軍出場を果たすなど、選手を積極的に起用した。

■3月28日 ○8−7 vs.広島

――ミスも多い試合だったが、明るい材料は?
「ミス? 勝ちゃいいじゃん。(明るい材料は)岩瀬が初めて投げて点を取られたら勝つ(優勝)ってこと」

 守護神・岩瀬仁紀が9回に勝ち越される苦しい展開ながらも、延長10回にセサルのサヨナラ打で勝利。苦笑いで質問に答えた落合監督は、岩瀬がシーズン初登板時に失点すると優勝する(99年、04年、06年)というジンクスについて言及し、結果的に今季もそのジンクス通りの結果となった。

■4月27日 ●0−8 vs.巨人
――5回7失点(8安打4四球)の朝倉健太について
「一人前になるって難しいんだよ。誰もが認める人がレギュラーでありエース。その称号を勝ち取って野球を辞めるのか、みんなにつくり上げられたまま辞めるのかは本人次第。彼らがどういうつもりで受け止めているのかは、オレは知らない。そこは勝ち取らないといけない」

 朝倉の乱調から「プロ野球選手論」を展開。この日はルーキーの大島が途中出場で安打を放ったが、「まだまだ。レギュラーにしないでくれる?」と笑みを浮かべつつ、報道陣に念を押した。

プロ野球史上3人目となる通算250セーブを達成し、ガッツポーズする中日の岩瀬 【共同】

■5月5日 ●1−9 vs.阪神

――チェンは4回6失点。(再調整など)気分転換させるという手段は?
「逃がさないよ。逃がして何になる? ボロボロになればいい。過去の大エースは自分でそれを乗り越えていったもの。本人がやろうとしていることが違う方向だから自分で気付かなきゃ。コーチがいくら言ったって、本人が気付いてくれないことには前に進んで行かない」

 この時点で1勝4敗となったチェンについて、2軍での再調整や先発ローテーションを外す考えはないことを明言。防御率4.20だったチェンはこのあとも先発登板を続け、シーズン終了時には13勝10敗・防御率2.87まで持ち直した。

■5月8日 ○1−0 vs.ヤクルト

――若手の判断ミスなどについて
「高い授業料を払っているからな。まぁ、ひとつずつ勉強していけばいいんじゃないか。あんまりダメだ、ダメだと言っていたら、体が動かなくなる。失敗は失敗、成功は成功と、本人たちが受け止めてくれたらいい」

 辛口コメントが印象的な落合監督だが、ここでは寛容な態度を示した。若手に経験を積ませて、それぞれのレベルアップを求めた部分も今季の特徴のひとつ。

■6月16日 ○5−3 vs.日本ハム

――岩瀬が名球界入りの条件となる250セーブを達成
「何をそんなにバタバタしてんの、250ぐらいで。(抑えになる)前の使い方をしてたら、つぶれていると思う。大事に大事に使ってきた7年間。300いったらお祝いしてやるという約束だから。人がやったことのないことをしてお祝いだ」

 岩瀬の大記録にも“オレ竜”の祝福。たとえ打たれても「岩瀬で打たれたら仕方ない」と絶対的な信頼を置く守護神に、「できたら(誰にも)破られない記録をつくってもらいたいな」とさらなる活躍を期待した。

■7月11日 ○5−3 vs.巨人

――リリーフ陣が踏ん張りましたが
「だから河原(純一)を入れたんだ。あれだけのコントロールを持っていれば大崩れはしないだろうし、自分で考えて投げられるヤツは、ほかにはいない。アイツをずっと待っていた」

 今季初登板で1イニングを無失点に抑えた河原を絶賛。チェンは5回3失点で降板したが、リリーフ陣の活躍で巨人を3タテした。

1/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント