ヘビー級に旋風を巻き起こす豪腕王者デビッド・ヘイ WBA世界ヘビー級王座戦=世界プロボクシング

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破壊力抜群の右パンチを持つヘイ、2度目の王座防衛なるか 【(C)NAOKI FUKUDA】

 日本時間11月14日(日)、ボクシングヘビー級で旋風を巻き起こす豪腕王者デビッド・ヘイ(英国)が、同じ英国の先輩ハリソンを迎えて2度目の防衛戦に臨む。
 チャンピオン有利の声が大勢を占めるが、ヘイが決して打たれて強くないことを考えると、シドニー・オリンピックで金メダルを獲得した実績を持つ大型サウスポーのハリソンにも勝機は十分ありそうだ。

 クルーザー級上がりのヘイは身長191センチ、リーチ198センチ、体重は100キロ近くまで増えた。15年以上前ならばヘビー級でも平均的な体格と言えただろうが、ビタリ&ウラディミールのクリチコ兄弟を筆頭に大型選手が目立つ最重量級にしては、全体的なボリューム感で及ばない。
 しかし、今年4月の初防衛戦で粘着型の元王者ジョン・ルイス(米国)を4度倒しているように、特に右は破壊力がある。王座を奪ったニコライ・ワルーエフ(ロシア)との試合では、右フックでタフな大巨人をふらつかせてもいる。動きそのものも軽快で、パンチのスピードに関しては現在ヘビー級シーンでトップに位置づけることができよう。

左フック一発で欧州王者となったハリソン

シドニー五輪王者ハリソンが世界王座奪取を目指す 【(C)NAOKI FUKUDA】

 対するハリソンは2000年のシドニー・オリンピックのスーパー・ヘビー級金メダリストとして知られる。翌年5月、29歳でプロ転向を果たし、さらにそこから世界挑戦にこぎ着けるまで9年以上を要したため、この10月で39歳になった。この間、英連邦タイトルや欧州タイトル獲得に失敗するなど、合計4度の敗北を喫している(31戦27勝20KO4敗)。今年4月、一度3回KO負けを喫している宿敵マイケル・スプロット(英国)を倒し、空位だった欧州タイトルを獲得し、今回の挑戦者に名乗りを挙げた。そのスプロット戦、やや劣勢のまま迎えた最終12回、左アッパーで誘いを入れてから巻き込むような左フック一発でけりをつけている。

 ハリソンは身長197センチ、リーチ218センチ、体重110キロ超の大型選手だが、戦いぶりは比較的慎重だ。数は少ないもののリードブローで探りを入れ、フォローパンチにつなげる機会を待つスタイルを持つ。基本的にはサウスポーだが右構えにスイッチすることもあり、なかなか器用な一面を持っているといえよう。スプロットを倒したようにパンチ力もあるが、前段階の崩しが少ない傾向があり、その分だけ攻防が単調な印象を与えるのも事実だ。耐久力にも疑問符が付きまとう。

スピード&パワーvs.体格&サウスポー

 やや攻防分離の傾向がある挑戦者に対し、ダイナミックな攻撃ボクシングを身上とするヘイが序盤から果敢に攻め込み、そのまま一気に攻略してしまう可能性もある。
 その一方で、ハリソンが大きな体とサウスポーのアドバンテージを最大限に生かしてヘイにプレッシャーをかけた場合、意外な展開になる可能性もある。
 勝負のカギを握るのはヘイのスピードとパワー、ハリソンの体格とサウスポー・スタイルということになりそうだ。いずれが勝つにしても、ヘビー級らしいKOシーンが見られる確率は極めて高いといえる。
 この試合のもようは、WOWOWで11月22日(月)夜8時より放送する。

Written by ボクシングライター原功

【WOWOW番組情報】

エキサイトマッチスペシャル 独占生中継!
「マニー・パッキャオ vs アントニオ・マルガリート」

<WBC世界スーパー・ウェルター級王座決定戦>
マニー・パッキャオ(フィリピン/5階級制覇チャンピオン)
アントニオ・マルガリート(メキシコ/元WBA世界ウェルター級チャンピオン)

※ゲスト:西岡利晃(帝拳/WBC世界スーパー・バンタム級チャンピオン)

11月14日(日)午後0:00 生中継
11月15日(月)よる8:00 リピート放送
11月16日(火)午後0:00 リピート放送

怒涛のビッグマッチ タイムリーオンエア!
ヘビー級に旋風を巻き起こす豪腕王者ヘイが登場!

<WBA世界ヘビー級タイトルマッチ>
デビッド・ヘイ(英国/WBA世界ヘビー級チャンピオン) vs
オードリー・ハリソン(英国/WBA世界ヘビー級13位)

11月22日(月)よる8:00 放送
11月23日(火)午前7:05 リピート放送
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