ジャイアンツ対レンジャーズは歴史的なシリーズ=ワールドシリーズ見どころ
球史に残るような大熱戦に期待
レンジャーズ、第1戦の先発は大舞台で無類の強さを発揮する左腕クリフ・リー 【Getty Images】
レンジャーズはメジャートップのチーム打率(2割7分6厘)を誇り、ア・リーグ優勝決定戦(以下ALCS)でもヤンキース投手陣から6試合で合計38得点を奪った強力打線が売り物だ。一方のジャイアンツはメジャートップのチーム防御率(3.36)をマーク、ポストシーズンでは1試合平均2.9失点しか許していない強力投手陣が支える。しかし、だからといって『打のレンジャーズ』対『投のジャイアンツ』という単純な図式にはならない。レンジャーズはこれまでポストシーズンで負けなしの7連勝を記録している大黒柱クリフ・リーを始め、投手陣も安定しているからだ。しかも、守備も堅実。また、スピードもあり、状況に応じたバッティングのできる打者も多く、ただ打つだけではない柔軟性のある攻撃力を持っている。
先発が7回まで試合を作れるか!?
9月に肋骨(ろっこつ)を折り、痛みと戦いながらALCSで4本塁打を打ち、MVPに輝いた主砲ジョシュ・ハミルトンはチームの士気を高めている。「この時期に100パーセントの状態でプレーしているヤツはいない」という闘志が、チームメートを奮い立たせる。
このほかにも、ALCSで打率3割3分3厘を打ったチームリーダーのマイケル・ヤング、当たりが出始めたブラディミール・ゲレーロ、ポストシーズン5本塁打のネルソン・クルーズなどタレントぞろい。どこからでも一発が飛び出す怖さを秘めた打線だ。
投手陣はここまでのポストシーズンで3試合に登板、いずれも2ケタ三振を奪い、3勝を挙げているリー以外にも、ALCSで2勝した元広島のコルビー・ルイスが好調だ。もうひとりの先発C・J・ウィルソンは制球にムラがあるのが気がかり。
ブルペンは21歳、100マイル(約161キロ)の剛球ネフタリ・フェリスがクローザーを務める。きん差での登板で依然として不安は残るが、ALCSで2試合投げたことがプラスに働くに違いない。中継ぎ陣はバラエティに富んでいるだけに、先発が7回まで試合を作れば、かなりの確率で勝ちが期待できる。