ジャイアンツ対レンジャーズは歴史的なシリーズ=ワールドシリーズ見どころ
ジャイアンツは強力投手陣頼み
ジャイアンツのエース右腕・リンスカムには万全の体調でマウンドに上がることができるか? 【Getty Images】
第2戦以降はNLCSと同様、パワーのあるマット・ケーン、威力のあるスライダーを投げる左腕ジョナサン・サンチェスで回すことになるはずだ。レンジャーズ同様、できる限りディープな回まで引っ張りたい。ブルペンの質は高いが、理想は先発のあとにすぐポストシーズンでも調子のいい守護神ブライアン・ウィルソンにスイッチしたいところだ。
ジャイアンツの不思議な力
最も信頼の厚い3番オーブリー・ハフは2部門でチームトップの成績を残してはいる。しかし、それでも26本塁打、86打点と寂しい数字だ。ちなみにワールドシリーズ進出チームで30本塁打、90打点以上の選手がいないチームは90年のレッズ以来の珍事となる。(もっとも、レッズは優勝したが)このチームはそれほど打てない。だから、必然的に新人の4番バスター・ポージーに期待がかけられるが、大一番のリードに神経をすり減らしているので、爆発力を求めるのは酷だ。しかし、ジャイアンツには不思議な力がある。機動力に優れているわけでもないのに、数少ないチャンスを得点に結びつけることができるのだ。レギュラーシーズンでも、ポストシーズンでも、そうやってものにしてきた少ない得点を投手陣が守り切り、勝ってきた。その不思議なパターンをワールドシリーズでも繰り返すことができるだろうか。
過去、サンフランシスコで行われたインターリーグではジャイアンツが無傷の9連勝をマークしている。ホームフィールド・アドバンテージに恵まれたジャイアンツが2連勝すれば、シリーズはもつれて第7戦でジャイアンツ優勝の可能性もあるが、1勝1敗だとレンジャーズが地元で初優勝を飾るかもしれない。いずれにしても、好投手が続々と登場し、どちらかが優勝とは無縁だった半世紀の長い歳月にピリオドを打つエキサイティングなシリーズになるだろう。
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