2連覇狙うヤンキースは苦戦か?=MLBプレーオフ ア・リーグ展望
ヤンキース投手陣の大黒柱・サバシア 【Getty Images】
投手陣に不安抱えるヤンキースとバランスのとれたツインズ
ブルペンはシーズン途中に移籍してきたケリー・ウッドがセットアップマンとして機能して安定感が出た。しかし、肝心の守護神マリアノ・リベラが9月に入って打たれ、3度のセーブ失敗を記録した。球威がどこまで戻るのか。投手陣の悩みは深刻だ。
打線はシーズンを通して低調だったデレク・ジーターが終盤に入って本来の姿に戻ってきた。アレックス・ロドリゲス(A・ロッド)の勝負強さも本物。中心打者として成長したロビンソン・カノ、30本塁打、100打点のマーク・テシェイラ、俊足のブレット・ガードナー、くせ者ニック・スウィッシャーら個性豊かな打撃陣がどこまで投手陣を援護できるか、そこが重大なカギになるだろう。
そのヤンキースに地区プレーオフで立ちはだかるのが、最も早くポストシーズン進出を決めたツインズだ。昨年に続き、大砲ジャスティン・モアノーを故障で欠く戦いになるが、ジョー・マウアー中心の打線はリーグ3位の打率2割7分3厘を誇り、相変わらず強力だ。6月3日にメジャー昇格し、サードに抜擢した新人ダニー・バレンシアが打率3割1分1厘という期待以上の力を発揮して、打線を活性化させる役割を果たした。
投手陣も第1戦に先発するフランシスコ・リリアーノを始め、先発、リリーフともにバラエティーに富んでいる。80年代後半から基礎力の徹底を図ったチーム作りをしているだけあって、すべてにバランスが取れ、守備も堅い。
ツインズは例年以上にスキのないチームになり、ヤンキースを倒せる実力があると思えるのだが、どうにも相性が悪い。ポストシーズンでは敗退を繰り返し、昨年も地区プレーオフでストレートの3連敗。今年のレギュラーシーズンも2勝4敗と負け越した。その流れをどこで断ち切れるか。初戦、地元ターゲット・フィールドの大声援をバックに、サバシアをたたくことができれば、一気に勝利への階段を駆け上がれそうだが。