アヌワットからダウン奪取! 板橋が“生ける伝説”撃破 裕樹、快勝で2階級制覇へ王手=RISE

t.SAKUMA

板橋(左)がムエタイの生ける伝説アヌワットを撃破する快挙! 【t.SAKUMA】

 立ち技格闘技「RISE 71」が26日、東京・後楽園ホールで開催され、今大会からスタートした初代RISEライト級王者決定戦の準決勝2試合など、全11試合が行われた。
 注目のメーンイベントには約3カ月ぶりの来日となる元ムエタイ10冠王者・アヌワット・ゲーオサムリットがRISE初参戦。アヌワットは、WBCムエタイ世界王座&ラジャダムナン&ルンピニー王座など数々のタイトルを総ナメにしたムエタイ界の怪物。日本においては過去5戦しており、ことごとく王者クラスをKOで葬り去ってきた。
 そのアヌワットを迎え撃つのは第2代RISEスーパーフェザー級王者の板橋寛。板橋は、昨年1月に初代王者・裕樹を下してベルトを手中に収めると、TURBOや尾崎圭司といった実力者を次々と撃破。山本真弘には延長判定の末に敗れるも、今年7月に行われた『RISE 68』ではWPMFライト級王者のカノンスック・WSRからフックの連打でダウンを奪い、文句なしの勝利を挙げた。板橋の戦績はアヌワットの実績には遠く及ばないものの、ムエタイ界の“生ける伝説”を相手にどこまで戦えるかが見どころだ。

序盤、アヌワットのパワーに耐える板橋

アヌワット(右)の強烈なパンチに耐える板橋 【t.SAKUMA】

 1ラウンド、開始早々、アヌワットの突き刺すような右ストレートにどよめく会場。その後もアヌワットは肩を振り回すように力強いフックを連発。板橋は左ストレートを軸に応戦して追撃こそかわすが前には出られない。
 2ラウンド、リング中央で打ち合う両者。しかし、パワー、手数ともに上回るのはアヌワット。板橋も左ストレート、右フックと的確に打ち込むもアヌワットのパワーにジリジリと後退を余儀なくされる。ラスト1分を切り、アヌワットは強烈なボディ打ち2発。さらにラスト10秒、叩きつけるような右のショートパンチで板橋を襲う。
 最終3ラウンド。両者がリングの真ん中で足を止めて打ち合う。だが中盤になると、板橋はパンチで徐々にアヌワットをロープまで押し込み、激しいラッシュを見舞う。アヌワットのあわやの場面に会場も一気にヒートアップ。アヌワットはガードを固めてなんとかしのぐも足下はおぼつかない。板橋がマウスピースをリングに落としていたために小休止となるも、再開後も猛追。今度は反対のロープ際までアヌワットを押し込むと、パンチをまとめた板橋の左フックが炸裂。アヌワットは日本人相手にまさかのダウンを喫する。この後も板橋が猛攻をしかけるが、意地のアヌワットも倒れず、試合は判定へ。ジャッジは28−28、29−28、28−28で一名が板橋を支持したものの1、2Rはアヌワットの攻勢と判断され、ドロー裁定に。試合は延長ラウンドへ突入する。

日本人初勝利の快挙

板橋がアヌワットに勝利、日本人初の快挙を達成した 【t.SAKUMA】

 延長ラウンド、互いに疲労の色は隠せず、激しい打ち合いは見られず。両者ともコツコツと手数を重ねる展開だ。終盤、疲労の色濃いアヌワットに板橋がパンチで追撃し、ロープに詰めたところで板橋の左ハイがヒット。「ホームで自分が折れるわけにはいかなかった」という板橋が最後まで気持ちで上回った。
 終了のゴングが鳴ると板橋陣営は勝利を確信。判定は三者ともに10−9で板橋を支持し、ムエタイ10冠の“生ける伝説”アヌワットから日本人初勝利をもぎ取った。
 試合後の板橋は「本当はもっとキレイなダウンを奪って勝ちたかった」と欲を見せたものの、「最低限の仕事はできた」と快挙に笑顔を見せた。今後は「60〜61キロクラスで真っ先に思い浮かぶような強い選手とやりたい。(リングは)ショータイムでも、K−1さんでもいいです」とさらなる強豪との対戦を熱望した。

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