岡見勇信、UFC王者に最も近い日本人の足跡をたどる
敗北を意味あるものにして、必ずはいあがろうと思った
ソネン(上)戦の敗北は「ショックだった」と語り、「必ずはいあがろう」と心に誓ったという 【Getty Images】
シウバ選手は強かったです。自分は人間としての力やすべてが進化したと思います。
もちろん(シウバと)再戦はしたいですし、その試合がチャンピオンシップだったら最高ですね。
――両選手との対戦経験があることをふまえて、今度のシウバ選手とソネン選手の対戦に関する考えを聞かせてください
どちらも強いのですごいクロスゲームになると思います。
――ソネン選手に敗北を喫したのは岡見選手にとってショックでしたか?
ショックでしたね。ただ、ここで諦めたら終わるので、敗戦を意味あるものにするために必ず進化してはい上がろうと思いました。
――ソネン戦の敗北からの復帰戦ではルシオ・リニャレス選手を相手に劇的な勝利を収めました。このような結果を成し遂げるためにトレーニングや生活をどのように変化させたのでしょう?
チーム・クエストに行ったり、日本に帰ってからは緊張感ある練習をするために出稽古を増やしました。とにかく自分を気持ちも体力も追い込みましたね。
日本を代表して戦うことは名誉あること、やりがいを感じる
日本を代表して戦うことにプレッシャーは感じるが、名誉のあることだと岡見は思っている 【ZUFFA】
とても嬉しい事ですが、目標は世界チャンピオンなのでそれを達成した時に改めて喜びたいと思います。
――岡見選手はUFCで非常に大きな成功を収めていますが、多くの日本人選手はそうとは言えません。日本人選手がUFCで成功できないのはなぜでしょうか?
米国という舞台に慣れていないこともあると思います。
それと、フィジカルに対する考えや練習方法がまだ浸透していないのかと。
――日本を代表してUFCで成功するというプレッシャーがかかることはありますか?
プレッシャーは感じますが日本を代表して戦うというのは名誉のあることなのでやりがいがあります。
――UFCで試合をするということは岡見選手のいつも目標の一つだったのでしょうか?
UFCで戦う前は、UFCはテレビの世界だったのであまり自分が戦っていることは想像出来なかったです。
ただ戦ってからはUFCの素晴らしさを知り、戦い続けてチャンピオンになることが目標であり、自分の生き甲斐になっています。
自分を駆り立てるもの? “強くなりたい”その一心です
ミドル級は層の厚い階級だが、ここから全勝して王者をめざす 【ZUFFA】
向上心を持って勝つことを考えていたら、自然にスタイルが作られてきました。
――UFCミドル級を岡見選手はどのように考えていますか? また岡見選手はその中でどのへんに位置しているのでしょう?
最初は、ミドル級の層は薄かったかもしれないですが、現在は層の厚い素晴らしい階級になったと思います。
自分の位置は中盤くらいですかね。ただ、ここから全勝してかけ上がりたいと思います。
――ファイターとして生活をするのは難しい道のりです。もし岡見選手がファイターでなかったとしたら何をしていたと思いますか?
ファイター以外は思い浮かばないです。
――格闘技に関することだけに限らず、人生で最も影響を受けたのは誰でしょうか?
両親です。自分は両親や家族に支えられて生きてきて、両親が安心した幸せな空間を築いてくれたことに感謝しています。自分も両親のような人間になりたいと思います。
――岡見選手はその戦績を通じて常に一流が集まる場所で試合をしてきました。周囲を見れば、多くの選手たちはそこまで己に厳しくないのが明らかですが、何が岡見選手をそこまで駆り立てるのでしょうか?
強くなりたい! その一心です。
日本人初のUFCチャンピオンになる姿を期待してください
これまでで最も価値のある勝利は、このタナー戦。偉大なチャンピオンと戦えたことを誇りに思っている 【ZUFFA】
すべての試合が価値あるものだと思いますが、強いてあげるとすればエバン・タナー選手です。なぜかと言えばタナー選手は偉大なるチャンピオンであり選手だからです。戦えたことを誇りに思います。
――戦うことの魅力とは何でしょうか?
魅力はかっこよさだと思います。
――ジムやトレーニング以外に岡見選手はどんなことをしているのでしょうか?
テレビを見たり、テトリスをしたりしてリラックスしていますね。
――ファンが数カ月後、数年後の岡見勇信に期待するべきものは何でしょうか?
日本人初のUFC世界チャンピオンになっている姿を期待していてください。