岡見勇信、UFC王者に最も近い日本人の足跡をたどる
日本人で最もUFC王者に近い岡見、その足跡をたどる 【ZUFFA】
ミドル級では世界トップクラスの実力を持つとされ、UFCでもその力を遺憾なく発揮している岡見。今、日本人で最もUFC王者に近い男はこれまで一体どんなキャリアを歩んできたのか。印象的な試合をピックアップし、その足跡をたどる。
アンデウソン最後の敗北は岡見戦
UFCミドル級の絶対王者に君臨するアンデウソン(右)が最後に敗れたのが岡見との試合だった 【ZUFFA】
この日がPRIDE初参戦となる両者。しかし実績では修斗やDEEPで経験を積み10歳上の桜井に軍配があがる。それでも岡見は臆することなく桜井に向かっていき、テークダウンからパウンドの連打で優位に試合を展開。判定3−0でPRIDEデビュー戦を勝利で飾った。
アンデウソン・シウバ戦(2006年1月20日 Rumble on the Rock 8)反則勝ち
のちに「UFCミドル級絶対王者」として君臨するアンデウソンとトーナメント初戦で対戦。岡見は劣勢を強いられるが、テークダウンを奪った直後、グラウンド状態からアンデウソンが顔を蹴り上げる反則を犯したため、反則勝ちとなった。
準決勝に進んだ岡見は、その後「Strikeforce」のミドル王者となるジェイク・シールズに敗れた。なお、アンデウソンは岡見戦での敗北以来、現在まで4年以上無敗を続けている。
アラン・ベルチャー戦(2006年8月26日 UFC62)判定勝利
デビッド・テレルの欠場によりベルチャーとの対戦となった岡見のUFCデビュー戦。終始試合の主導権を握り、判定3−0で勝利を収めた。しかし、試合を優位に進めながら慎重な姿勢にファンからはブーイングを浴びる結果に。
ケガで王座戦をフイに、試練乗り越え成長とげる
ケガで王座戦の機会を逃すなど、試練もあったがそれを乗り越え、進化を続ける 【ZUFFA】
元UFCミドル級王者フランクリンとの一戦。しかも、ミドル級タイトルマッチの挑戦権をかけたメーンイベントでの扱いと、デビュー戦からここまで4連勝中の岡見にとってUFCでは初のビッグマッチとなった。しかし、元王者相手に判定負け。UFC初黒星を喫すると同時にミドル級の王座戦線からも後退を強いられた。
チェール・ソネン戦(2009年10月24日 UFC104)判定負け
フランクリン戦での敗戦後、連勝を飾った岡見だが、08年、09年とケガに悩まされる。08年3月のエヴァン・タナー戦で右拳を骨折し、決まりかけていたアンデウソンとの王座戦が流れると、同年12月の復帰戦をはさみ、09年に今度はひざを負傷。最後の試合からソネン戦まで10カ月の間隔があいてしまった。
その影響からか、ソネンに試合の主導権を握られ、3者27−30の判定0−3で敗北。UFCで初ともいえる完敗を喫した。
ルシオ・リナレス戦(2010年3月31日 UFC Fight Night)TKO勝利
五味、宇野とともに参戦し、日本でも注目度の高かったこの大会。リナレスと対戦した岡見は打撃で攻勢に出て、序盤でダウンを奪うと、2ラウンドでドクターストップによるTKO勝ちを収めた。くしくも五味と宇野が敗れてしまい、日本人で唯一勝利した岡見の安定した強さが際立つ結果となった。
以上、印象に残る6試合を振り返ってみた。次ページからは岡見本人の声をお届けする。
格闘技を始めたきっかけ、戦いを通じて学んだこと、そしてUFC王者への思い。岡見が余すところなく語ってくれた。